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海外の需給動向【豚肉/中国】 畜産の情報 2022年6月号

豚飼養頭数減少も、生体豚価格はいまだ低水準で推移

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豚総飼養頭数、繁殖雌豚頭数ともに減少傾向
 中国国家統計局によると、2022年3月末時点の豚総飼養頭数(四半期ごとに公表)は、前回(21年12月末)比5.9%減の4億2253万頭、うち繁殖雌豚頭数は同3.3%減の4185万頭と昨年6月末をピークに減少している(図1)。なお、中国農業農村部は、繁殖雌豚の飼養頭数について約4100万頭が最適(下限は3700万頭)としており、現時点ではこの頭数に対し2.1%上回っている状況にある。
 
 
豚と畜頭数と豚肉生産量は引き続き高水準で推移
 中国農業農村部によると、豚と畜頭数は引き続き前年同月を上回る水準で推移している。2022年2月は春節後に需要が一服したことで前月比44.9%減と大幅に減少したが、前年同月比では10.1%増(1568万頭)と前年をかなりの程度上回った(図2)。
 

 豚と畜頭数が高水準で推移することで、豚肉生産量も引き続き前年を上回っている。中国国家統計局によると、22年第1四半期の豚肉生産量は前年同期比14%増の1561万トンとなった。

22年1月以降、豚肉価?格、子豚価格ともに下落傾向で推移
 2022年1月以降、豚肉価格および子豚価格は下落傾向にあり、3月の豚肉価格は前月比9.1%安の1キログラム当たり23元(457円:1元=19.86円(注1))、子豚価格は同4.6%安の同24.2元(481円)となった(図3)。1月以降、春節需要を見越した出荷の集中やCOVID-19による都市封鎖、さらに、春節後の需要減も重なり、価格下落を引き起こしたとされている。なお、政府は、豚肉価格および生体豚価格を下支えするため、3月以降、国家備蓄による豚肉の買い入れを複数回実施している(注2)

(注1) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年4月末TTS相場。
(注2) 海外情報「豚肉価格の低迷で、備蓄に向けた国家買入を再度実施(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003222.html)および「豚価格の低迷で、3月に続き国家買入を実施(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003234.html)を参照されたい。

 


22年1〜3月の豚肉輸入量は前年同期比で大幅に減少
 2022年1〜3月の豚肉輸入量は、前年同期比63.9%減(41万2228トン)と大幅に減少した(表)。昨年同時期は、アフリカ豚熱の影響から輸入豚肉の需要が大きかったが、中国国内の豚肉生産の回復に伴い主要輸入先からの輸入量は総じて前年を下回っている。今後の見通しとして、?殖雌豚頭数はいまだに高水準にある中で、COVID-19による都市封鎖の散発を受けて輸入業者の輸入意欲は低下しているとされ、輸入量は引き続き少ない状況が継続するとみられている。
 
 
(調査情報部 海老沼 一出)