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4. 世界の需給に影響を与える諸国の動向

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最終更新日:2011年10月7日

4. 世界の需給に影響を与える諸国の動向

2011年10月

調査情報部

ブラジル

 
 

(1)2011年9月における生産見通し

〜さとうきびおよび砂糖生産量は前年度比10%以上減少の見通し〜

 2011/12ブラジル砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきびの収穫はすでに半分以上が終了しており、収穫面積は790万ヘクタール(前年度比0.1%増)と前年からわずかに増加すると予測される。しかし、さとうきび生産量は、単収が1ヘクタール当たり69.1トン(同12.9%減)と前年度から1割以上低下すると見込まれるため、2カ月連続で前回の予測値(5億7910万トン)から下方修正され、5億4500万トン(同12.1%減)と前年度を大幅に下回るとみられる。減産の要因としては、2010年の乾燥した天候や低調なほ場の更新、主産地である中南部での降霜やブラジルでは例年にはほとんど見られない出穂による単収の低下が挙げられる。9月12日のブラジルさとうきび産業協会(UNICA)の発表によれば、中南部における2011/12年度(9月1日時点)の単収は、1ヘクタール当たり72.4トン(同23.5%減)であった。同地域の収穫は11月中旬で終了するとみられる。

 8月30日の国家食糧供給公社(CONAB)の発表によれば、ほ場の更新について、CONABでは4回の株出しを行った後に新しい苗の植付けを推奨しているものの、最近では資金不足から株出しを10回以上行うケースも少なくないという。株出しの回数を重ねるごとに単収が低下することは明らかで、6年経過したほ場の単収(1ヘクタール当たり55トン)は、2年のほ場(同115トン)よりも半減するとしている。

 さとうきびの生産量およびさとうきびの品質(ATR(さとうきび1トン当たりの回収糖分))が低下していることから、砂糖とエタノールの生産量も前月に引き続き下方修正され、前者は3620万トン(粗糖換算、前年度比11.5%減)、後者は2180万キロリットル(同20.1%減)と減少が予測された。今後、予想を上回る降雨があると、さとうきびの品質がさらに低下し、砂糖の生産量がさらに減少する可能性がある。
 
 

(2)貿易状況

〜減産により、輸出量は前年度比18.9%減の見込み〜

 2011/12年度における砂糖の消費量は1270万トン(粗糖換算、前年度比1.8%増)と前年度からわずかに増加するとみられる。また、輸出量は2350万トン(粗糖換算、同18.9%減)と前月の2500万トンから予測値が下方修正された。これは、ブラジルの砂糖生産量が減少する一方、タイや豪州などの他の主産国では生産が増加し、主要需要国であるロシアの生産も好調なため、ブラジル産砂糖に対する需要が減少すると見込まれることによる。

 8月の砂糖輸出量は前月(310万トン)より7.9%増加し、前年同月並みの330万トンとなった。砂糖生産量が予測どおりとなった場合、原料不足により輸出契約を履行できず違約金の支払いを余儀なくされる業者が出る可能性がある。  7月の主要輸出先は、中国、エジプトおよびアルジェリアなどであった。端境期にある中国では国内在庫の不足から、前月(37万4000トン)に引き続き、55万1000トン(前年同月比2.7%増)と増加した。

資料:LMC“Monthly Sugar Report, September 2011”
    国家食糧供給公社(CONAB)“Segundo Levantamento de Cana-de-Açucar Safra 2011/2012,
    Agosto/2011”(2011/8/30)
    ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)プレスリリース(2011/9/12)
    農畜産業振興機構 海外情報(2011年9月5日発)
    「2011/12年度のさとうきびおよび砂糖の生産量は前年度よりも減産と予測(ブラジル)
 
 
 
 

インド

 
 

(1)2011年8月における生産見通し

〜モンスーンによる降雨量が平年並みに回復し、単収への影響はない見込み〜

 2011/12インド砂糖年度(10月〜翌9月)は、さとうきび作付面積が7月20日時点で516万ヘクタールに達した。さらに、最大生産地マハーラーシュトラ州では、例年より早期に到来したモンスーンによる降雨の影響で、作付に一部遅れが生じたため、今後作付面積はさらに増加し、収穫面積は前年度を上回る520万ヘクタール(同8.1%増)と見込まれる。

 インド気象庁は、8月28日までのモンスーンによる降雨量が、シーズン当初に想定されていた過去50年間の平均(長期平均)並みまで回復しつつあると報告しており、シーズン全体を通した降雨量も、長期平均並みになると予想される。このため、単収も前年度並みとなり、さとうきび生産量は前年度を上回る3億6550万トン(同8.1%増)に達する見込みである。

 インドでは、選挙の準備期間中および当日は禁酒令が出されるため、選挙の準備前にはアルコールの消費量が大きく増加する。特に、グル*注1はアルコール製造向けに使われることが多いことから、来年、州知事選挙を控える主産地のウッタル・プラデーシュ州では、さとうきびのグルへの仕向けが増加する可能性がある。このため、砂糖生産量は2880万トン(粗糖換算、同10.4%増)と前回の予測からは若干下方修正されたものの、2006/07年度以来の高水準になると予測される。

*注1:遠心分離機を使わず、オープンパン(釜炊き)でさとうきびの搾汁を煮詰め、固形状もしくは板状にした砂糖
 
 

(2)貿易状況

〜2011/12年度の輸出量は前年度と同水準となる見込み〜

 2010/11年度の砂糖消費量は、上半期の国内価格高騰により消費が低迷し、2340万トン(粗糖換算、前年度比6.5%減)と見込まれる。2011/12年度は、価格が下落基調にあるため、2500万トン(粗糖換算、前年度比7.0%増)と、2009/10年度と同水準まで回復すると予測される。

 2010/11年度の輸出は、ALS*注2制度に基づく白糖120万トンに加え、OGL方式*注3による国産原料由来の砂糖について150万トンが政府に許可され、前年度から約19倍の305万トン(粗糖換算)となる見込みである。OGL方式については、政府は食料品価格の上昇による国内のインフレを懸念し、砂糖の輸出には慎重な姿勢をとっていたが、50万トンずつ2回の追加輸出が許可された経緯がある。この背景には、近隣諸国や湾岸地域における需要が旺盛であることや国際価格が堅調に推移していることに加え、生産者への支払い遅延を最小限にするために製糖業界から追加輸出を求める声が高まったことがある。2011/12年度は、砂糖の増産見込みによる供給余力および在庫の積み増しなどを勘案すると300万〜400万トンとなる見通しである。

 一方、輸入に関しては、白糖および粗糖を対象とした免税措置は2011年8月末を期限としていたが、11月末までの延長が決定された。この措置は、国内砂糖価格の上昇を抑制するために2009年に導入され、数次にわたり期限が延長されている。

資料:LMC “Monthly Sugar Report , September 2011”

注2:ALS(Advanced Licensing Scheme)とは、輸入粗糖を精製後、一定期間内に再輸出することを条件に輸入関税を免除する制度。
注3:OGL(Open General License)とは、登録を行った業者に対し、個別のライセンスを取得せずに輸出を許可する制度。
 
 

中国

 
 

(1)2011年9月における生産見通し

〜砂糖生産量は2008/09年度の水準に回復〜

 2011/12中国砂糖年度(10〜翌9月)のさとうきび生産量については、今後の気温や降水が平年並みに推移した場合、2年連続低調だった単収が1ヘクタール当たり60トン台に回復すると見込まれ、さとうきび由来の砂糖生産量も1270万トン(同21.5%増)と2008/09年度の水準まで回復すると見込まれる。しかし、さとうきび主産地の広西チワン族自治区では、一部の地域で、降雨不足が続いており、今後の天候に注視する必要がある。

 2011年国内糖業上期報告によれば、てん菜の2011/12年度作付面積は、主産地である新彊ウイグル自治区が前年度に比べ約20万ムー(約1万3000ヘクタール)増加の130万ムー(約8万7000ヘクタール)、黒龍江省が約18.15万ムー(約1万2000ヘクタール)増加の115.5万ムー(約7万7000ヘクタール)、内モンゴル自治区が約9万ムー(約6000ヘクタール)増加の51万ムー(約3万4000ヘクタール)とされる。主産地での作付面積の大幅増加により、てん菜由来の砂糖生産量は99万トン(前年比15.3%増)とかなり増産すると予測されている。
 
 

(2)貿易状況

〜国家備蓄減少を受け、2011/12年度の輸入量は依然高水準〜

 2010/11年度の砂糖消費量は1470万トン(粗糖換算、前年度比2.2%減)と予測され、2年連続で生産量より消費量が300万トン以上も上回ることとなる。国内の供給不足により、輸入量は前年度比52.1%増と大幅に増加する見込みである。国家備蓄の放出量は、昨年度171万トン、今年度(2011年8月23日現在)168万トンと両年度とも年間消費量の11.4%に達した。9月16日には9回目の国家備蓄放出20万トンが予定されており、備蓄の水準は低下しているとみられる。このような国内需給ひっ迫と国家備蓄の減少を受け、2011/12年度の輸入量は生産量が増加の予測にもかかわらず、240万トン(粗糖換算)と前年度並みの水準となる見込みである。

 7月における粗糖・白糖輸入量は前月の2.3倍で25.6万トンと大幅に増加し、1〜7月の輸入量をみても前年度同期比8.8%増とかなり増加した。主な輸入先はキューバ(12.1万トン)、タイ(10.2万トン)、韓国(2.0万トン)であった。
 
 
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