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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2018年7月10日

砂糖類の国内需給

2018年7月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。3月に「平成29砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した(詳細は2018年5月号参照)。

平成29砂糖年度(10月〜翌9月)の見通し

表1 平成29砂糖年度における砂糖の需給見通し

表2 平成29砂糖年度における異性化糖の需給見通し

2. 異性化糖の移出動向

5月の移出数量は前年同月からかなり増加
 2018年5月の異性化糖の移出数量は、8万7782トン(前年同月比6.4%増、前月比3.2%増)であった(図1)。
 5月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満     389トン  
 (前年同月比6.1%減、前月比20.5%減)
同40%以上50%未満  2万1188トン  
 (同1.5%増、同1.5%減)
同50%以上60%未満  6万4508トン  
 (同7.8%増、同4.6%増)
同60%以上           1697トン  
 (同21.9%増、同22.2%増)

図1 異性化糖の移出量の推移

図2 異性化糖の種類別移出量の推移

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年4月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、5万4508トン(前年同月比62.5%増、前月比95.9%増)であった(図3)。
 輸入先国はタイ、豪州および米国の3カ国で、輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ     4万517トン  
 (前年同月比20.8%増、前月比45.9%増)
豪州   1万3982トン  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
米国        9トン  
 (前年同月輸入実績なし、前月比79.5%減)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、5万4018トン(前年同月比92.9%増、前月比2.6倍)であった。

図3 分みつ糖の輸入量の推移

図4 分みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年4月の1トン当たりの輸入価格は、3万8244円(前年同月比30.1%安、前月比5.3%安)であった(図5)。

タイ   3万8830円  
 (前年同月比29.0%安、前月比3.5%安)
豪州  3万6441円  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
米国  20万2111円  
 (前年同月輸入実績なし、前月比68.1%高)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、4万66 円(前年同月比25.1%安、前月比12.9%安)であった。

図5 分みつ糖の輸入価格の推移

【含みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年4月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、1570トン(前年同月比15.4%増、前月比21.1%減)であった(図6)。
 輸入先国はタイ、中国およびフィリピンの3カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

タイ     815トン  
 (前年同月比15.8%減、前月比44.1%減)
中国    699トン  
 (同2.4倍、同37.6%増)
フィリピン  56トン  
 (同33.3%減、同2.3倍)

図6 含みつ糖の輸入量の推移

図7 含みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年4月の1トン当たりの輸入価格は、11万7541円(前年同月比0.2%高、前月比0.4%安)であった(図8)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ      11万682円  
 (前年同月比3.2%安、前月比3.8%安)
中国    12万4661円  
 (同4.7%安、同2.2%高)
フィリピン 12万8482円  
 (同17.1%高、同38.2%安)

図8 含みつ糖の輸入価格の推移

【加糖調製品の輸入動向】
4月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年4月の加糖調製品の輸入量は、5万1430トン(前年同月比5.4%増、前月比17.5%増)であった(図9)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった(表3)。

図9 加糖調製品の品目別輸入数量の推移

表3 加糖調製品の品目別輸入数量(4月)

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 5月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京  1キログラム当たり189〜190円
大阪               同190円
名古屋              同193円
関門               同193円

上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり202〜203円
大阪               同204円

本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり194〜195円
大阪               同195円
名古屋             同198円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり189〜190円 
大阪               同190円
名古屋             同191円

 5月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの  
 1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの          
            同137〜138円

【小売価格】
5月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で21.7円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、194.6円(前年同月差1.4円高、前月差0.2円安)であった。
 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表4)。

表4 上白糖の地域別平均小売価格(5月)

 最も高かったのは中国・四国で、最も安かった中部との価格差は21.7円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


5月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で75.2円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.8円(前年同月同、前月差0.6円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表5)。

表5 グラニュー糖の地域別平均小売価格(5月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は75.2円であった。

5月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で47.4円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.7円(前年同月差0.7円安、前月差1.0円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。

表6 三温糖の地域別平均小売価格(5月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は47.4円であった。

【購入金額および購入量】
4月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに下落

 総務省「家計調査」によると、2018年4月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は34で、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、81円(前年同月比1.2%安、前月比2.4%安)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、327グラム(同10.7%減、同6.8%減)であった(図11)。

図10 1世帯当たりの砂糖に係る支出額の推移

図11 1世帯当たりの砂糖の購入数量の推移

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