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新型コロナウイルス感染症関連の情報

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最終更新日:2020年7月10日

新型コロナウイルス感染症関連の情報

2020年7月

調査情報部

 調査情報部では世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各国政府の対応など需給に影響を与えるタイムリーな情報を、海外情報としてホームページの以下のURLに随時掲載しております。
 (掲載URL:https://www.alic.go.jp/topics/index_abr_2020.html
 ここでは前月号でご紹介したもの以降、6月11日までに掲載したものをまとめて紹介いたします。

目次

・【北米】
 外食支出額、2019年は過去最高も2020年2月以降急落(米国)(令和2年6月9日付)

・【欧州】
 EU農産物・食品飲料団体ら、英EU・FTA交渉が難航していることにリスクが 高まっていると懸念を表明。「合意なし」の場合、移行期間の延長、代替案の措置を要求(令和2年6月11日付)

・【アジア】
 1.中国農業展望報告(2020ー2029)を発表(砂糖編)(中国)(令和2年6月4日付)
 2.中国農業展望報告(2020ー2029)を発表(でん粉編)(中国)(令和2年6月9日付)

【北米】

(令和2年6月9日付) 外食支出額、2019年は過去最高も2020年2月以降急落(米国)

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が6月2日に公表した「Food Expenditure」によると、2019年の食品支出額(名目ベース、アルコール飲料を除く)は、家庭内食品支出額が7994億米ドル(86兆3352億円:1米ドル=108円)、家庭外食品(外食)支出額が9694億米ドル(104兆6952億円)といずれも前年を上回り、過去最高を更新し続けている(図1)。また、物価変動を考慮した実質ベースでも、緩やかながら同様の傾向で推移している。


 2019年の家庭内食品支出額(実質ベース)を業態別に見ると、最も割合の多い「食料品店」は、5年前の2014年と比べて12.6%増加し、全体に占める割合は58%(2014年と同水準)となった(図2)。次いで割合の多い「会員制大型ディスカウントストア、スーパーセンター」は、2014年比で13.6%増加し、全体に占める割合は22%(2014年と同水準)となった。なお、「通販・宅配」は、全体に占める割合が3%と小さいものの、2014年比で36.0%増と増加率が最も高かった。

※非食品のディスカウントストアに食品スーパーやドラッグストア等を組み合わせた大型店舗
 

 2019年の家庭外食品支出額を業態別に見ると、ファストフード店などの「注文・支払がレジカウンターやドライブスルーで行われる飲食店」は、5年前の2014年と比べて24.7%増加し、全体に占める割合は39%(2014年比4ポイント増)となり、最も割合の多い業態となった(図3)。次いで割合の多い「完全なテーブルサービスを提供するレストラン」は、2014年比で9.2%増加したものの、全体に占める割合は35%(同1ポイント減)となり、2番目に多い業態に順位を落とした。

 
 直近の月別食品支出額(名目ベース)を見ると、2020年1月まではほとんどの月で「家庭外」が「家庭内」を上回っており、外食比率(食品総支出額のうち家庭外食品支出額が占める割合)は50%台前半で推移してきた(図4)。米国では他国と同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で各州において外出制限の動きが広がったことなどから、2月および3月の「家庭内」の支出額は対前年同月比でそれぞれ7%増、20%増となったものの、「家庭外」の支出額がそれぞれ37%減、50%減と大幅に落ち込んだことから、全体の支出額もそれぞれ16%減少した。この結果、2月の外食比率は38%(前年同月比14ポイント減)、3月は31%(同21ポイント減)となった。5月以降、外出制限を緩和する動きが出てきており、「家庭外」がどの程度の期間でどこまで回復するのか、今後の動向が注視される。

 
(国際調査グループ 河村 侑紀)
 

【欧州】

(令和2年6月11日付) EU農産物・食品飲料団体ら、英EU・FTA交渉が難航していることにリスクが高まっていると懸念を表明。「合意なし」の場合、移行期間の延長、代替案の措置を要求

 欧州連合(EU)最大の農業生産者団体である欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)(注1)、欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)(注2)、欧州農産品貿易連絡委員会(CELCAA)(注3)の三者は連名で6月4日、英国とEUの第4回交渉終了を前に、これまでの3回の交渉で進展がなかったこと、また、移行期間終了の2020年12月31日までに合意が得られないリスクが高まっているとして懸念を表明した。

 三者はプレスリリースの中で、EUの対英国農産物・食品貿易額は、2019年に580億ユーロ(7兆2500億円:1ユーロ=125円)に達しており、関税及び割当数量のない自由貿易協定(FTA)の締結に失敗すれば、EUと英国双方の農産物・食品部門に深刻な影響を及ぼすことになるとした。また、関税導入に加えて関連規制の相違が伴えば、サプライチェーンに著しい混乱を招くとした。

 三者は、双方の混乱を限定的にすることに焦点を当てるとし、具体的には、将来のEUと英国の貿易協定において、次のことを確保することが不可欠であるとした。

●関税、手数料や課徴金、割当数量を導入しないこと。
●EUと英国間の公平な競争条件の確保。EUおよび英国の事業者間の公正な競争を確保するために不可欠なものである。
●衛生植物検疫(SPS)措置および規格基準に関する高度な協力に加え、その適用の相違を最小限に抑えること。さらに、欧州食品安全機関(EFSA)および英国食品基準庁(FSA)の緊密な関係維持が最も重要である。
●税関審査と事業上手続きの負担を軽減するための税関協力
●EUおよび英国の事業者のみを優遇しうる効果的な原産地規則
●EU単一市場の一貫性を保持するため、アイルランド・北アイルランドに関する協定が確実に実施されること。
●将来にわたるEUおよび英国の地理的表示(GI)の相互保護

 また、現在は2020年末までの移行期間にあるが、特に貿易協定の締結および批准までの時間が限られていることを懸念し、英国政府が移行期間延長に反対していることに遺憾を示すとともに、移行期間は、事業者らの混乱を回避するため十分な長さを確保すべきであるとした。

 そして、移行期間内にFTA締結ができない場合に備えて、2021年頭から実施することが可能な、代替案の検討を強く要求するとした。関税と割当数量のない自由貿易を維持する必要があるとし、それが、すでに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重大な影響に対応している事業者らの混乱を最小限に抑えながら、交渉担当者たちにさらなる時間を与えることになるであろうとした。

 三者はプレスリリースの最後で、合意が得られず、移行期間の延長もされない場合、EUの農産物・食品部門にとって、EUから英国への輸出量の大幅な減少、収入の大幅な減少、そして、結果的には雇用の喪失という深刻な問題が起こるであろうとした。また、その影響は、中小企業、生産者、農業協同組合へ特に大きなものになるとし、移行期間の延長有無の判断も含むこれまでの交渉の進捗評価のために、6月中に予定されている首脳級会合の中で今回の懸念が考慮され、交渉プロセスが迅速かつ建設的な方法で進むことを期待しているとした。また、野心的で高いレベルの合意に向け、英国とEUの双方に対し、公平な競争条件を確保し、双方にとって最善の結果をもたらす質の高い成果を達成するための十分な時間を確保することを強く勧奨するとした。

 EU離脱協定では本年6月末までの間、双方の合意により1回に限り1年から2年、移行期間を延長することができる。欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官は6月5日、ビデオ会議で行われた今回の交渉を終え、移行期間延長に反対する英国の立場に言及した上で、批准手続きにかかる時間を考慮すれば、本年10月末までに最終合意に達しなければならないとし、移行期間の1年ないし2年の延長の「扉は開かれている」とするEU側の立場を繰り返した。また、交渉における英国の立場が、「公平な競争条件の確保」「マネーロンダリングおよびテロ活動への資金供与への対策」「漁業」などの点において、2019年10月に両者が合意した政治宣言の内容に合致していない点を強く指摘し、これらが主要な論点であると述べている。

(注1)欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)とは、EU加盟国の2300万人以上の農業生産者によって構成されるCopa(欧州農業組織委員会)および2万2000の農業共同組合により構成されるCogeca(欧州農業協同組合委員会)により組織されたEU最大の農業生産者団体。CopaおよびCogecaは、独立した組織であるものの、両者は共同で事務局を設置し、主にロビー活動を行っている。
(注2)欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)とは、EU加盟国の29万4000社の事業者と470万人の労働者で構成されるEU最大の食品製造業団体。取引量はEU全農産物の70%を占める。
(注3)欧州農産品貿易連絡委員会(CELCAA)とは、EU加盟国の3万5000社の農産物貿易事業者で構成されるEU団体。穀物、飼料、砂糖、ワイン、食肉、乳製品、青果物、卵、香辛料、切り花などの農産物を対象としている。

(国際調査グループ)

【アジア】

1.(令和2年6月4日付) 中国農業展望報告(2020−2029)を発表(砂糖編)(中国)

 中国農業農村部は2020年4月20日、中国農業展望大会を開催し、今後10年間の農業を展望する「中国農業展望報告(2020−2029)」を発表した。同大会は2014年から毎年開催されており、今回は、2019年の総括と2029年度までの農畜水産物の生産量や消費量の見通しが報告された。 本稿では、2018/19年度における砂糖の需給動向ならびに2019/20年度および2028/29年度までの需給見通しについて紹介する。なお、各砂糖年度は10月〜翌9月である。

ア.2018/19年度の動向

 糖料作物(サトウキビおよびてん菜)の栽培面積は、サトウキビが約121万ヘクタール、てん菜が約23万ヘクタールとなったことから、合計144万ヘクタール(前年度比4.7%増)とやや増加した。砂糖生産量は、同4.4%増の1076万トンと、3年連続で増加した。消費量は、同0.7%増の1520万トンとわずかに増加した。輸入量は324万トン(同33.3%増)と大幅に増加した。

イ.2019/20年度の動向予測

 主なサトウキビ産地である雲南省と広東省で、製糖工場の経営不振などを背景に他作物への転作が進むことで、糖料作物の栽培面積は142万ヘクタール(前年度比1.2%減)とわずかな減少が見込まれる。砂糖生産量を見ると、てん菜生産量は平年通りであるものの、2019年に主産地である広西チワン族自治区や雲南省で干ばつや冷害が発生した影響によるサトウキビ生産量の減少を見込み、全体で同2.4%減の1050万トンと予測されている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生により、春節後にサトウキビの収穫や輸送、製糖工場での圧搾が滞ったことも砂糖の減産要因となる可能性がある(注1)

 消費量は前年度と同様、1520万トンと見込まれる。前年度の輸入量が多かったことから、輸入量は304万トン(前年度比6.2%減)と減少が見込まれるものの、2020年5月22日をもって関税割当枠外の輸入糖に課されていた追加関税の期限が切れる(注2)ことで、輸入糖の価格が下がり、国内の砂糖産業への影響がさらに強まると予測されている。

(注1)2020年2月21日付海外情報「中国雲南省、新型コロナウイルスが砂糖生産にも影響を与え始める(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002627.html)を参照されたい。
(注2)中国は2017年5月、砂糖の輸入品が国内産業に損害を及ぼしているとして「セーフガード措置」を発動し、割当枠外の輸入関税を50%から95%に引き上げた。詳細は、2018年10月24日付海外情報「中国による砂糖への追加関税をめぐり、ブラジルがWTOへ提訴(中国)」(https://alic.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002314.html)を参照されたい。


ウ.2028/29年度までの動向予測

 今後約10年間で、都市化による農地の減少や、他作物との競合が激化する可能性があるものの、機械化の進展や栽培技術の向上により、糖料作物の単収の増加が見込まれるとしている。このため、砂糖生産量は2019/20年から2028/29年度にかけて年間1.8%の割合で増加し、2028/29年度には1211万トンに達すると予測されている。

 消費量については、人口増加や都市化の進展が消費量の増加に貢献するとみられるものの、高齢化社会を背景とした嗜好(しこう)の変化や健康志向の高まりによる代替甘味料の需要増加などにより、今後約10年間の消費量の増加率は緩やかになるものと見込んでいる。2019/20年から2028/29年度における砂糖消費量の年間増加率は0.9%で、2028/29年度の消費量は1652万トンと見込まれる。

 輸入量は、国内消費量が生産量を上回って推移することや、輸入糖の価格競争力の持続が見込まれるところ、2019/20年から2028/29年度にかけて年間9.3%の割合で増加すると予測されている。2028/29年度の輸入量は644万トンと、2018/19年度と比較して約2倍に増加すると見込まれる。


(国際調査グループ 塩原 百合子)

2.(令和2年6月9日付) 中国農業展望報告(2020−2029)を発表(でん粉編)(中国)

 中国農業農村部は2020年4月20日、中国農業展望大会を開催し、今後10年間の農業を展望する「中国農業展望報告(2020−2029)」を発表した。同大会は2014年から毎年開催されており、今回は、2019年の総括と2029年までの農畜水産物の生産量や消費量の見通しが報告された。

 本稿では、中国のでん粉生産の概要ならびに本報告のうち同国産でん粉の主要原料であるトウモロコシの2019年の需給動向および2029年までの需給見通しについて紹介する。

ア.中国のでん粉生産の概要

 現地の調査会社などによると、2018年における中国のでん粉生産量は3009万トン(前年比10.6%増)であった。そのうち、コーンスターチは2815万トンと全体の9割以上を占めており、ばれいしょでん粉は59万トン、タピオカでん粉とかんしょでん粉はそれぞれ26万トン、残りを小麦でん粉などが占めている(図)。なお、でん粉の需要量は3159万トン(同7.8%増)と生産量を上回っている状況である。

イ.2019年のトウモロコシの動向

 2019年のトウモロコシ作付面積は4128万ヘクタール(前年比2.0%減)とわずかに減少した(表)。これは2016年、中国国務院が公表した「国務院による全国農業現代化計画(2016〜2020年)」(注1)において、トウモロコシの作付面積の削減目標が示された以降、減少傾向で推移しているもので、一方、生産量は単収の増加を受けて、2億6077万トン(同1.4%増)とわずかに増加した。

 消費量は、生産量を上回る2億7669万トンであり、コーンスターチを含む工業向けは7900万トンであった。 輸入量は、主要輸入相手国であるウクライナのトウモロコシが安価であったことや、旺盛な国内需要を補完すべく、479万トン(同36.1%増)と大幅に増加した。

(注1)中国の内閣に相当する国務院が2016年10月17日に公表したもの。トウモロコシの過剰在庫を改善するために、自給率が低い大豆などへの転作による作付面積の削減(2015年に5.7億ムー〈3800万ヘクタール:1ムー≒6.67アール〉であった作付面積を、2020年までに5億ムー〈3333万ヘクタール〉まで減少)が推進された。

ウ.2020年および2029年までのトウモロコシの動向予測

 転作は引き続き推進されるものの、生産者においては長年にわたるトウモロコシ生産からの意識転換が進まず、作付面積は2020年に4132万ヘクタール(前年比0.1%増)、2029年には4282万ヘクタールとほぼ現状を維持する(2019年比3.7%増)と予測されている。

 生産量は、作付面積の増加に加えて、生産技術の向上が期待されることから、2020年に2億6656万トン(前年比2.2%増)とわずかに増加し(注2)、2029年には3億3819万トンと現状の1.3倍程度の拡大を予測されている。

 消費量のうちでん粉用途を含む工業向けでは、トウモロコシ加工企業の増加や生産能力の向上を受けて、2020年に8270万トン(同4.7%増)とやや増加し、2029年には9950万トンと現状の1.3倍程度まで拡大すると予測されている。

 輸入量は、2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、425万トン(同11.3%減)とかなり大きく減少すると見込まれるものの、2029年には、関税割当量(注3)を超えないが、過去最大の648万トンまで拡大すると予測されている。

(注2)COVID-19が中国のでん粉生産に与えた影響については、本報告書での言及はない。なお、当該影響については、2020年4月16日付海外情報「新型コロナウイルス感染症の発生が、コーンスターチ生産に一時的な影響を与える(中国)」  (https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002675.html)を参照されたい。
(注3)中国のトウモロコシ輸入は関税割当制度の下で行われており、関税率は、割当量720万トンの枠内で1%、枠外で65%(種子用を除く)となっている。

 
(国際調査グループ 荒川 侑子)
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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