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新型コロナウイルス感染症関連の情報

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最終更新日:2021年2月10日

新型コロナウイルス感染症関連の情報

2021年2月

調査情報部

 調査情報部では世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各国政府の対応など需給に影響を与えるタイムリーな情報を、海外情報としてホームページの以下のURLに随時掲載しております。
 (掲載URL:https://www.alic.go.jp/topics/index_abr_2020.html
 ここでは、1月15日までに掲載したものをまとめて紹介いたします。

目次

・【北米】
(令和3年1月15日付)米国政府が食生活指針を改定、2歳以上の糖類摂取量の上限を据え置き(米国)

・【南米】
(令和2年12月28日付)CONAB、第3回サトウキビ収穫速報で、砂糖生産の復調見込みを発表
(ブラジル)

・【欧州】
(令和2年12月18日付)農業・食品等関係団体、英・EU交渉に五つの緊急要請
(令和2年12月28日付)BREXIT移行期間終了後の英EUの通商・協力について双方が合意

【北米】

(令和3年1月15日付)米国政府が食生活指針を改定、2歳以上の糖類摂取量の上限を据え置き(米国)

 米国保健福祉省(HHS)と米国農務省(USDA)は2020年12月29日、「米国人のための食生活指針(Dietary Guidelines for Americans, 2020-2025)」を公表した(注1)

 この指針は、米国民の健康を維持するために、日常の食生活において摂取を推奨するまたは控えるべき品目や栄養素などを記載したものである。学校給食や貧困層への食料援助などの米国政府の栄養関連政策やプログラムは同指針に基づく策定および実施が原則とされ、製糖業界や農産食品業界にとって、今後5年間の動向を左右しかねない重要な指針となっている。

 今回の改訂には、2歳未満の乳幼児、妊婦および授乳中の女性の食生活に関する記載が新たに盛り込まれ、すべての世代・ライフステージが網羅された。糖類摂取量については、2歳未満の乳幼児においては、糖類(注2)を含む食品や飲料の摂取の回避が明記されたものの、2歳以上については前回と同様、1日当たりの摂取エネルギーの10%未満とすることが望ましいとされた(注3)

 医療、栄養、公衆衛生の専門家で構成される米国政府の米国食生活指針諮問委員会では、2歳未満の糖類含有食品などの摂取を避け、2歳以上の国民の糖類摂取の上限割合を、1日当たりの摂取エネルギーの6%未満まで引き下げることが望ましいと勧告していた。一方、今回の指針では、四つの重要な提言(注4)のうちの一つに「糖類、飽和脂肪酸、塩分をより多く含む食品や飲料を控えること」が掲げられたものの、HHSとUSDAのプレスリリースによると、前回2015-2020年以降諮問委員会が示した根拠に優越性がないとの理由から、2歳以上の国民における糖類摂取の上限割合の引き下げは行われなかった。

(注1)2020年6月30日に、米国食生活指針諮問委員会によって両省の長官あてに答申され、公開討論や意見聴取(パブリックコメント)を経た報告書(「Scientific Report of the 2020 Dietary Guidelines Advisory Committee」)が基礎となっている。同指針は5年ごとに見直されることとなっており、1980年に初めて公表されて以降、今回で8回目。
(注2)本指針において糖類とは、果物や牛乳などに自然に含まれる糖を除く、食品や飲料に添加された糖(砂糖、ブドウ糖、異性化糖など)と定義されている。
(注3)同指針では、成人男性の1日に必要な摂取エネルギーは2000〜3000キロカロリー、成人女性の場合は1600〜2400キロカロリーとされている。従って、成人男性は糖類から摂取するエネルギーを1日当たり200〜300キロカロリー、成人女性は同160〜240キロカロリーに抑える必要がある。
(注4)今回の改定指針における4大提言は、以下のとおり。
・各々のライフステージに合った健康的な食生活を心掛ける。
・個人の嗜好、文化的な伝統、経済状況に合わせて、栄養価の高い食品と飲料を選択し、それらの組み合わせを楽しむ。
・栄養価の高い食品や飲料によって、5つの食品群(野菜、果物、穀物、乳製品、肉や魚などのたんぱく質を多く含む食品)に分類される栄養価の高い食品や飲料の摂取に注力しつつ、摂取エネルギー量を範囲内に収める。
・糖類、飽和脂肪酸、塩分をより多く含む食品・飲料やアルコール飲料の摂取を控える。


 同指針によると、米国人の1日当たりの平均糖類摂取量は、1日に摂取するエネルギーの13%以上に当たるおよそ270キロカロリーとされており、その多くは糖類を含む飲料や菓子類から摂取されている(図1〜3)。従って、糖類の摂取抑制策として、これらの製品の摂取頻度の減少や糖類の少ない製品の選択などを提案している。また、低カロリーまたはゼロカロリーの甘味料の代替摂取については、短期的には摂取エネルギーの削減をもたらし体重管理に寄与する可能性はあるものの、長期的な視点においては、その効果に疑問が残るとしている。  

 

 

 

 また、同指針によれば、現在、成人の74%、2歳〜18歳の年代の40%が過体重または肥満状態にある。また、成人の60%が食生活に起因する慢性疾患に罹患(りかん)している。この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生により、食事に関連した慢性疾患を持つ人は、COVID-19罹患時の重症化リスクが高まるとされていることから、個々の状況を問わず同指針の重要性がより一層高まるものとして注目を集めているとしている。

 今回の改訂について米国の製糖企業の業界団体である米国砂糖協会(The Sugar Association)は、同国では2000年以降の20年間で砂糖消費量が30%以上減少しているのに対し、肥満人口の割合は同期間で40%以上増加しており、科学的根拠として、糖類摂取量の制限強化が必要であると認められないにもかかわらず、諮問委員会が摂取量の引き下げを勧告したとして、同委員会の報告書を作成するプロセスに重大な欠陥があり、改革の必要性があると主張した。一方、HHSとUSDAが科学的な根拠に欠ける諮問委員会の勧告を採用せず、科学的な理由に基づき方針を決定したことには感謝すると述べた。
 
(国際調査グループ 塩原 百合子)

【南米】

(令和2年12月28日付)CONAB、第3回サトウキビ収穫速報で、砂糖生産の復調見込みを発表(ブラジル)

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は12月15日、2020/21年度第3回サトウキビ収穫速報(注)を公表した。

(注)同速報は、同年度(砂糖年度:4月〜翌3月)におけるサトウキビ、砂糖およびエタノールの生産や輸出などの予測を、四半期ごとに公表するものである。

サトウキビ生産

 ブラジルのサトウキビの収穫面積は、861万ヘクタール(前年度比1.9%増)とわずかに増加すると見込まれている(図1)。同国のサトウキビ生産量の約92%を占める中南部地域では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受けて収穫作業の開始が遅れたものの、11月までの降雨量が少なく収穫ペースが早まったため、同地域の収穫は例年通り12月現在、ほぼ終了している。一方、残り約8%を生産する北東部地域での収穫作業も同様例年通り、2021年3月末までに終了するとみられる。

 また、多くのサトウキビ生産地において、特に成長初期の天候が良好であったことや、栽培技術の開発などへの投資が奏功し、単収は1ヘクタール当たり77.3トン(同1.5%増)とわずかに増加する見込みである。この収穫面積と単収の増加によって、サトウキビ生産量は6億6511万トン(同3.5%増)とやや増加すると見込まれている。

 サトウキビの歩留まりの指標となる1トン当たりの平均回収糖分(ATR)は、中南部地域の降雨量の減少が影響し、平均で142.9キログラム(同2.6%増)とわずかに増加すると見込まれている(図2)。

砂糖およびバイオエタノール生産

 2020/21年度は、原油の国際相場や燃料の需要が大きく落ち込んだことで、バイオエタノール生産量(トウモロコシ由来を含む)は、3285万キロリットル(前年度比7.9%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。 バイオエタノールの需要低下に加えて、世界第2位の砂糖輸出国であるタイでの減産によって砂糖の国際価格が上昇したことなどを受けて、サトウキビの製糖への仕向け量が増加し、同年度の砂糖生産量は4184万トン(同40.4%増)と大幅に増加すると見込まれる(図2)。

 この結果、同年度におけるサトウキビの砂糖生産への仕向け割合は同11.2ポイント増の46.1%(同11.2ポイント増)となり、砂糖生産への仕向けがかなり回復する見込みとなっている(図1)。

 

 

砂糖輸出

 ブラジルの砂糖輸出量は2017/18年度以降3年連続で減少していたが、2020/21年度はブラジルレアルが米ドルに対して安値で推移したことや砂糖の国際価格の上昇を受けて、年間を通じて増加傾向で推移している。

 2020/21年度における11月までの輸出量を見ると、2018/19年度および2019/20年度の年間輸出量をそれぞれ上回る約2370万トンを記録した。同期間における主な輸出先と輸出量に占めるシェアは、中国が17.2%、インドが6.9%、バングラデシュが6.6%、アルジェリアが6.3%、インドネシアが6.3%、ナイジェリアが4.6%と、これらのアジアおよびアフリカ諸国で全体の半分近くを占めている。

 2020/21年度の輸出量の見通しについて、CONABは、過去最高を記録した2016/17年度の約2830万トンを上回ると予想している。また、現在の国際価格は、ブラジルの季節的な砂糖生産量の減少、タイ産砂糖の干ばつなどによる減産見込み、インド政府による輸出促進政策の発表遅延に伴う輸出の停滞などを背景に堅調に推移しており、今年度の残りの期間においても、砂糖の国際価格やレアル相場は、ブラジル産砂糖の輸出にとって有利に働くと予測している。

  

(国際調査グループ 塩原 百合子)

【欧州】

(令和2年12月18日付)農業・食品等関係団体、英・EU交渉に五つの緊急要請

 欧州連合(EU)最大の農業者団体を含む4団体(下記参照)は12月9日、英国のEU離脱(BREXIT)移行期間が終了する2020年12月31日を間近に控え、移行期間後の措置に関する五つの緊急要請を共同声明で発表した。

 4団体は、最優先事項として雇用維持を挙げ、衛生植物検疫(SPS)措置や貿易の技術的障害(TBT)といった貿易上の障壁となり得る規則の統一および関税や関税割当のない協定を求めるとともに、労働者の権利、公平な競争条件の確保のため、協定合意の有無に係わらず、下記の五つの緊急要請があるとした。

1.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりすでに影響を受けている部門において、経済的な混乱を避け、安定的に雇用が継続されるよう、交渉に関する結論が判明次第、直ちに詳細なルールを定めること。

2.関税や通関のため複雑な手続きの復活が想定される合意なきBREXITは、特に農業・食品事業者に大きな影響を与える可能性があり、円滑な移行のための具体的な措置の他、EUのBREXIT調整準備金(本年7月に新たに措置)による支援が必要。

3.事業者が円滑に新たな規則へ移行できるよう、行政機関による迅速かつ効果的な情報提供が必要。

4.労働者の権利保護は必須であり、EUの農業・食品等関係部門が雇用する何百万人もの従業員の雇用を維持するための事業者への支援も必要。

5.移行期間終了後に予測される混乱などに対応するため、欧州委員会と英国当局との対話の継続と共に、部門の関係者との対話も行う必要。

 4者は共同声明の最後に、交渉の結果がどのようなものであっても、すべての人の利益のために強固かつ生産性のある関係を築くために、英国とEUが禍根を一切残さないよう求めるとしている。

 また、EU最大の乳製品貿易団体である欧州乳製品貿易協会(EUCOLAIT)は12月14日、英国・EUの交渉に対し、すでに多くの混乱を招いているとして声明を発表した。

1.事業者らはすでに対応策を講じてきてはいるものの、移行期間終了のわずか2週間前にあっても2021年1月1日以降に関税などがどのようになるか分からないという状況にあっては万全の準備を行うことは不可能。

2.合意なきBREXITが現実味を増す中、英国との間でWTOの最恵国待遇(WTO加盟国間の貿易にかかる一般的関税率)での取引を意味する交渉決裂は可能な限り避けるべきであり、2021年1月1日から協定発効までの間を現状維持とすることに合意すべきである。

 なお、先の共同声明の4団体は以下のとおり。

欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)
 欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)とは、EU加盟国の2300万人以上の農業生産者によって構成されるCopa(欧州農業組織委員会)および2万2000の農業共同組合により構成されるCogeca(欧州農業協同組合委員会)により組織されたEU最大の農業生産者団体。CopaおよびCogecaは、独立した組織であるものの、両者は共同で事務局を設置し、主にロビー活動を行っている。

欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)
 欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)とは、EU加盟国の29万4000社の事業者と470万人の労働者で構成されるEU最大の食品製造業団体。取引量はEU全農産物の70%を占める。

欧州農産品貿易連絡委員会(CELCAA)
 欧州農産品貿易連絡委員会(CELCAA)とは、EU加盟国の3万5000社の農産物貿易事業者で構成されるEU団体。穀物、飼料、砂糖、ワイン、食肉、乳製品、青果、卵などの農産物を対象としている。

欧州食品・農業・観光関係労働組合連合会(EFFAT)
 欧州食品・農業・観光関係労働組合連合会(EFFAT)とは、食品・農業・観光業の2200万人以上の労働者の利益ために活動する、欧州35カ国の120の労働組合(組合員260万人)の連合組織である。


(国際調査グループ)

(令和2年12月28日付)BREXIT移行期間終了後の英EUの通商・協力について双方が合意

 英国および欧州委員会は12月24日、英国のEU離脱(BREXIT)移行期間終了後の通商・協力について合意したとそれぞれ発表した。2016年に英国が実施したEU離脱に関する国民投票以降の長きに渡る両者間の交渉は、移行期間終了が12月31日と間近に迫る中でようやく決着した。

 合意内容のうち自由貿易協定(FTA)に関しては、原産地規則を満たすことを要件に、全品目で関税が撤廃され、関税割当も設けないこととなった。一方、英国がEU単一市場から外れるため、北アイルランドを除く英国とEU間の貿易において衛生植物検疫(SPS)措置が適用され、2021年7月にかけてシステムの変更や衛生証明書の導入が段階的に行われる。

 農業・食品業界も、今回の待ちに待った合意発表を受け、直ちに反応した。EU最大の生産者団体である欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)は、欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)、欧州農産品貿易連絡委員会(CELCAA)と連名で同日、EU農業・食品部門への大打撃を直前に回避できたことを歓迎すると声明を発表した。

 また、2021年1月1日からの移行を確実なものとするよう迅速な対応を要請するとともに、対応が不可能であれば、国境およびサプライチェーンの混乱は必至であり、特に多くの雇用と農産物の価格および安定供給を危機にさらすとして、50億ユーロ(6350億円:1ユーロ=127円)の予算が組まれているBREXIT準備金の活用を求めた。さらに、適用されるSPS措置への人的、技術的、財政的支援の要求の他、英EU間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生時に措置し、奏功した物流優先レーン(グリーンレーン)(注)の維持などを求めた。

注)物流優先レーンとは、農産品を含む食品の優先的な流通のため、各加盟国との連携により「グリーンレーン(優先レーン)」を創設し、EU単一市場の機能を担保するもの。同レーンは、指定の主要国境検問所に設けられ、検査は15分以内に実施される。

 
なお、欧州側では、今回の合意は欧州理事会の決定により暫定的に2021年1月から適用され、2021年2月中を目途に欧州議会による批准手続きを経て発効する見込みとなっている。

【参考】
・農産物・食品飲料団体ら、英EU・FTAの質の高い合意のほか、BREXIT調整準備金の活用も求める
(海外情報〈令和2年10月1日発〉)https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002783.html(『砂糖類・でん粉情報』2020年11月号「新型コロナウイルス感染症関連の情報」参照)
・EU農産物・食品飲料団体ら、英EU・FTA交渉が難航していることにリスクが高まっていると懸念を表明。「合意なし」の場合、移行期間の延長、代替案の措置を要求
(海外情報〈令和2年6月11日発〉)https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002724.html(『砂糖類・でん粉情報』2020年7月号「新型コロナウイルス感染症関連の情報」参照)
(国際調査グループ)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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