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3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2021年10月時点予測)

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最終更新日:2021年11月10日

3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2021年10月時点予測)

2021年11月

ブラジル
2021/22年度の砂糖生産量はかなり大きく、輸出量は大幅に減少する見込み  
 LMC International(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)による2021年10月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2021/22年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、869万ヘクタール(前年度比0.2%減)と横ばいで推移すると見込まれる(表2)。サトウキビ生産量は、中南部地域において乾燥気候が継続している上、7月頃に霜害も発生したことにより、5億7000万トン(同13.3%減)とかなり大きく減少すると見込まれる。砂糖生産量は、原料の減産を受けて3799万トン(粗糖換算〈以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算〉、同14.8%減)とかなり大きく減少すると見込まれる。輸出量も、砂糖の減産や、コロナ禍における物流の混乱を背景とした海上運賃の上昇を受けて、インドネシアやアフリカ諸国などで同国産の粗糖需要が低下していることから、2701万トン(同20.7%減)と大幅に減少すると見込まれる。

ブラジル中南部でサトウキビ圧搾量の減少が加速  
 ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)が公表した10月1日時点のデータによると、同国のサトウキビ主産地である中南部の製糖工場では、9月後半に3579万トンのサトウキビが圧搾され、前年同期の4038万トンを11.4%下回ったという。  

 同地域で10月1日まで稼働した製糖工場は225カ所であり、このうち52の工場が10月15日までに圧搾を終える予定とされる。すでに9月末までに圧搾を終了した36の工場では、処理したサトウキビの量が前年比で平均24%減少したという。  

 また、9月後半に圧搾されたサトウキビの約46%が砂糖生産に割り当てられたが、製糖工場が無水エタノール(燃料混合用)の生産に注力したため、前年同期の同47%よりも低くなった。これにより、9月後半の砂糖生産量は、前年同期の287万トンを下回る232万トンにとどまり、今年度の砂糖生産総量(9月末時点)は、前年同期比9%減となる2919万トンとなった。
表2
 
インド
2021/22年度の砂糖生産量はやや増加し、輸出量はかなりの程度減少する見込み  
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、500万ヘクタール(前年度比2.3%増)とわずかに増加すると見込まれる(表3)。主産地の降雨量は平年並みまたは平均を上回っており、生育状況は順調であることから、サトウキビ生産量は4億2317万トン(同5.3%増)、砂糖生産量は3450万トン(同3.2%増)とともにやや増加すると見込まれる。輸出量は、砂糖の国際価格が堅調な状況下において、国内製糖業者はさらなる国際価格の上昇を期待して今年度後半の輸出契約を見極めていることから、763万トン(同9.0%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。
表3
(参考)インド
中国
2021/22年度の砂糖生産量はやや減少し、輸入量は大幅に減少する見込み  
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、116万ヘクタール(前年度比0.6%増)とわずかな増加が見込まれる(表4)。サトウキビ生産量は、主産地である広西チワン族自治区や雲南省の天候が良好であるため、7475万トン(同1.6%増)とわずかに増加すると見込まれる。一方、同年度のてん菜の収穫面積は、トウモロコシへ転作する農家の増加により(注)、17万ヘクタール(同27.1%減)と大幅に減少し、てん菜生産量も、883万トン(同28.7%減)と1000万トンを下回ると見込まれる。  

 砂糖生産量は、てん菜糖生産量の減少を受けて1094万トン(同5.1%減)とやや減少すると見込まれる。輸入量は、前年度の輸入によって積み増しされた国内の余剰在庫が政府によって放出される可能性があり、これは輸入糖の需要を低下させることから、577万トン(同26.0%減)と大幅に減少すると見込まれる。

(注)同国では、アフリカ豚熱からの回復による豚飼養頭数の増加を受けて、飼料用トウモロコシなどの需要が高まりを見せている。詳細は、2021年6月17日付海外情報「中国農業展望報告(2021−2030)を発表(飼料編)(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002967.html)を参照されたい。
表4
 
EU
2021/22年度の輸出量は、かなりの程度増加する見込み  
 2021/22年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は、減少傾向の継続が予測される中、146万ヘクタール(前年度比0.9%減)とわずかな減少が見込まれる(表5)。てん菜生産量は、干ばつの影響を受けた過去2年に比べ、今期は生育期間の降雨量が多かったことを受けて、1億936万トン(同10.9%増)とかなりの程度増加すると見込まれる。砂糖生産量は、てん菜の増産を受けて1703万トン(同12.5%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。輸出量は、砂糖生産量の増加に伴い、134万トン(同8.2%増)とかなりの程度増加すると見込まれる。

オランダの政府政策学術評議会、砂糖税の導入やアルコール飲料の値上げを提言  
 オランダの政府政策学術評議会(WRR)は、将来的に国民の健康状態を改善し、医療費を削減するため、糖類を含む飲料への課税(いわゆる砂糖税)の導入やアルコール飲料の値上げなどの提言を盛り込んだ報告書を公表した。

 同報告書によると、現在の傾向からの試算では、2060年までに医療分野で働く人の数は2倍になり、人口1人当たりの医療費が年間1万6000ユーロ(210万円:1ユーロ=131円(注))になると試算されている。このため、同国の医療費を抑制し、健康的な生活を促進するための政策を早急に導入するよう提言している。具体的には、砂糖税の導入、食品中の塩分の削減、アルコール飲料の販売許可証を持つ店舗数の上限設定、アルコール飲料の最低価格の設定などが挙げられている。  

 オランダ政府は、すでに一部の対策を講じており、特に若者のアルコール消費を減らすため、2021年7月1日からスーパーマーケットなどの小売店でのアルコール飲料の割引に上限を設けている。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。
表5
(参考)EU
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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