砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 各国の糖業事情報告 > 世界8カ国のアメ・ガム・グミの消費動向および購買志向

世界8カ国のアメ・ガム・グミの消費動向および購買志向

印刷ページ

最終更新日:2023年10月10日

世界8カ国のアメ・ガム・グミの消費動向および購買志向

2023年10月

調査情報部 峯岸 啓之、針ヶ谷 敦子

【要約】

 世界8カ国を対象とした消費者調査では、アメ・ガム・グミの消費動向および購買志向は、国や年齢、運動頻度などについて回答傾向が異なった。摂食する理由は、商品そのものを好むとする回答が多かったものの、ストレス緩和や口臭対策、集中力の向上など、目的に応じて消費者は商品を選択していることがうかがえた。機能および成分に関して、消費者層へのアプローチの余地が存在することが確認できた。その他甘味料の使用の印象は、どちらとも言えない、わからないとする回答が多くを占めたものの、国や年齢別で異なった。
 

はじめに

 高齢化の進展や気候変動など、世界規模で生じるさまざまな課題を通じ、健康やSDGs(持続可能な開発目標)に対する消費者の関心が高まっている。加えて、情報網の発達や人の動きが広がっていることで、食に対する消費者の志向も変容しつつある。このような中で、砂糖に対する消費者の関心度や消費状況、砂糖を含む食品の選択思考や購買動機などを把握することは、海外を含めたマーケティングを考える上で参考に資すると考えられる。

 そこで当機構では、2022年度に砂糖をはじめ、チョコレートおよび糖類を含む清涼飲料水の消費状況、また、これらの商品に対する購買志向などについて、全世界の地理的・文化的なバランスや砂糖消費量などを勘案して選定した世界8カ国(図1)の一般消費者を対象にアンケート調査を実施した(注1)。23年度も引き続きアイスクリーム(注2)およびアメ・ガム・グミについて同様の調査を実施した。本稿では、このうちアメ・ガム・グミの調査結果の概要について報告する。



 

(注1)調査の詳細については『砂糖類・でん粉情報』(2022年9月号)「世界各国における砂糖の消費動向および購買志向」〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002778.html〉、『砂糖類・でん粉情報』(2022年10月号)「世界各国におけるチョコレートの消費動向および購買志向」〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002797.html〉および『砂糖類・でん粉情報』(2022年11月号)「世界各国における糖類を含む清涼飲料水の消費動向および購買志向」〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002813.html〉を参照されたい。
(注2)本調査の詳細については『砂糖類・でん粉情報』(2023年9月号)「世界8カ国のアイスクリーム消費動向および購買志向」〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002994.html〉を参照されたい。

1 調査概要

(1)調査対象
 
以下の世界8カ国の一般消費者を対象に、男女別と世代別に調査した。
日本、豪州、ブラジル、中国、フランス、インド、インドネシア、米国

(2)有効回答数
 
合計約6964件(各国約870人×8カ国)(注3、注4)。各国については、男女それぞれ世代別(18歳〜29歳、30歳〜39歳、40歳〜49歳、50歳〜59歳および60歳以上の5カテゴリー)に約80人ずつ調査した。

(注3)対象年齢は調査対象国の多くで採用する成人年齢(18歳)以上とした。
(注4)図表中のNは有効回答数。


(3)調査期間
 
2023年2〜3月

(4)調査手法
 
インターネットアンケート(注5)

(注5)回答者は、男女別、世代別で均等に割り付けしていること、インターネットを利用できる環境下で生活していることなどに留意が必要。

(5)調査品目
 
アメ、ガム、グミ

 本調査回答者の属性および甘味商品の嗜好性については、『砂糖類・でん粉情報』(2023年9月号)「世界8カ国のアイスクリーム消費動向および購買志向」〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002994.html〉文末の参考資料を参照されたい。
 

2 アメ・ガム・グミの摂食状況

(1)アメ・ガム・グミの摂食頻度
 
8カ国全体の摂食頻度について、アメでは「ほぼ毎日」は1割強で、「週に1〜2回」にまで範囲を広げると全体の5割弱であった(図2−1)。一方、ガムやグミの摂食頻度はアメと比較して低い結果となった(図2−2、2−3)。また、「全く摂食しない」の回答は、アメでは1割強、ガムやグミでは3割強となった。

 国別では、8カ国の間で「ほぼ毎日」について差は少なかったが、「週に1〜2回」にまで範囲を広げると、中国をはじめ、インドやインドネシア、米国で比較的高い結果となった。特に中国は他の7カ国と異なり、アメでは7割強が、ガムでは5割強が「週に1〜2回」以上摂食すると回答した。日本では、8カ国全体の結果と比較して摂食頻度は低く、特にガムやグミでは4割強が「全く摂食しない」と回答した。

 年齢別では、アメ・ガム・グミのすべてで、加齢に伴い摂食頻度は低くなり、ガムとグミについては、60歳以上で、全く摂食しない層が過半を占めた(図3−1、3−2、3−3)。
 


















 

(2)アメ・ガム・グミの1日当たりの摂食量
 
8カ国全体の1日当たりの摂食量について、アメでは6割弱が、ガムでは7割弱が、グミでは5割弱が「1〜2粒」と回答した(図4−1、4−2、4−3)。また、「5〜9粒」にまで範囲を広げると、アメ・ガム・グミのすべてで9割程度となった。さらに、グミではアメやガムと比較して摂食量が多く、1割弱が「10〜14粒」と回答し、「5〜9粒」と合わせると2割強となり、アメやガムとの間で摂食量の差が確認された。

 国別では、アメが豪州やフランス、米国で他の5カ国と比較して摂食量が多かった。また、グミは「10〜14粒」「5〜10粒」の合計で、日本や豪州、フランス、米国が3割程度の回答となり、他の4カ国と比較して多かった。1日当たりのグミの摂食量がアメやガムと比較して多い理由は、アメやガムの商品は個包装であることが多く、1回の摂食量が比較的少ないことが想定されるのに対し、グミは後述のとおり、日本や豪州では小腹を満たすために摂食する機会が多く、複数個入りで食べ切りやすいことも一因と思われる。

 年齢別では、アメ・ガム・グミのすべてで、加齢に伴い摂食頻度のみならず摂食量は低くなった(図5−1、5−2、5−3)。
 


















 

(3)運動頻度別のアメ・ガム・グミの摂食頻度
 
運動頻度別の摂食頻度は、アメ・ガム・グミのすべてで運動頻度の高い消費者ほど高い傾向であった(図6−1、6−2、6−3)。一方で、回答者数を考慮する必要があるものの、運動頻度が低くなるにつれ、摂食する者も減る結果となった。

 









 

(4)アメ・ガム・グミを摂食する理由
 8カ国全体の最も多い摂食理由は、アメでは「アメが好きなため」が6割弱、ガムでは「口臭対策のため」が4割強、グミでは「グミが好きなため」が6割弱であった(図7−1、7−2、7−3)。また、アメ・ガム・グミのすべてで「ストレス緩和のため」「口が寂しいため」の回答も多かった。

 国別では、アジア地域で、グミの「コラーゲンを補給するため」の回答数が多かった。日本では、アメで8カ国の中で唯一「アメが好きだから」が上位3位に入らず「のどをケアするため」が6割弱と他の7カ国と大きく差をつけた。また、ガムの「眠気覚ましのため」、グミの「小腹を満たすため」とした回答が多く、他の7カ国とは異なった。
 










 

(5)アメ・ガム・グミの嗜好性
 8カ国全体の嗜好性は、アメでは「ソフトキャンディー」が5割強、ガムでは「フルーツフレーバーガム」と「ミントガム」が4割強、グミでは「ソフトグミ」が7割強とそれぞれ回答が多かった(図8−1、8−2、8−3)。

 国別では、アメは「ハードキャンディー」「フルーツフレーバーキャンディー」「チョコレートキャンディー」で回答が割れた。また、ブラジルやインドネシアでは「ハッカ、ミントキャンディー」、さらにインドネシアでは「ビタミンC配合キャンディー」の回答が多かった。ガムではシュガーレスガムや口腔ケア系(口臭対策ガム、キシリトールガム)の回答が目立った。グミでは中国で「キシリトールグミ」が3割強となったことは興味深い。日本では、アメの「のどアメ」、ガムの「キシリトールガム」、グミの「ハードグミ」「パウダー付きグミ」とした回答が多く、他の7カ国とは異なった。









 

3 コロナ禍でのアメ・ガム・グミの摂食量

(1)新型コロナウイルス感染症(COVID−19)流行前後の変化
 
コロナ禍での摂食量の変化について、8カ国全体では6割弱が「変化はない」とする中で、3割弱が「かなり増えた・やや増えた」とし、「かなり減った・やや減った」を上回った(図9)。

 国別では、「変化はない」が多くの国で4割弱から6割強であったが、日本は7割弱と際立って高かった。一方、唯一インドでは、「かなり増えた・やや増えた」が、「変化はない」を上回り、コロナ禍で需要が高まったことがうかがえる。また「変化はない」を除くと、すべての国で「かなり増えた・やや増えた」が「かなり減った・やや減った」を上回った。

 年齢別では、すべての年齢層で「変化はない」が最も多く、加齢に伴い「変化はない」が増し、「かなり増えた・やや増えた」が減る傾向にあった。また、60代以上では「かなり減った・やや減った」が「かなり増えた・やや増えた」を上回った(図10)。

 






 

(2)コロナ禍での増減理由
 
「かなり増えた・やや増えた」の増加理由を8カ国全体で見ると、「以前より健康に気を使うようになったから」が最も多く、次いで「在宅時間が増加し、自宅で仕事をするようになったから」「生活習慣の変化により、食生活に変化があったから」が続いた(図11)。

 国別では、8カ国全体で最も多かった「以前より健康に気を使うようになったから」について、豪州を除く7カ国で3位以内に入ったものの、各国で状況が異なった。生活習慣の変化や収入増に関する回答が多かった一方、フランスでは収入減が1位となっていることは興味深い。日本では、自宅で過ごす時間の増加や生活習慣の変化による嗜好性の変化が上位に挙げられた。

 一方、「かなり減った・やや減った」の減少理由を8カ国全体で見ると、「以前より健康に気を使うようになったから」が最も多く、次いで「生活習慣の変化により、食生活に変化があったから」が続いた(図12)。

 上述以外で、フランスや米国では収入減を、アジア地域では外出機会の減少や在宅時間の増加についての回答が多く、特に、フランスでは収入減が摂食量の増減双方の理由になっていることは興味深い。

 





 

4 アメ・ガム・グミの摂食量の今後の見通し

(1)アメ・ガム・グミの摂食量の変化
 
今後の摂食量について8カ国全体では、5割強が「変化はない」とする中、「かなり増える・やや増える」と「かなり減る・やや減る」は双方2割強の回答となった(図13)。

 国別では、すべての国で「変化はない」の回答がもっとも多かったが、各国により状況が異なった。インドでは、「かなり増える・やや増える」が「変化はない」を唯一上回り、今後も需要増加の可能性が高いことがうかがえる。また、中国やインドネシアでは「かなり増える・やや増える」が「かなり減る・やや減る」を上回った一方、豪州、ブラジル、フランスではその逆となった。日本は「変化はない」が8割強と他の7カ国とは異なった。

 年齢別では、「変化はない」を除くと若い層では、「かなり増える・やや増える」が優勢であるものの、50歳以上では「かなり減る・やや減る」が「かなり増える・やや増える」を上回った(図14)。
 







 

(2)今後の見通しの増減理由
 
「かなり増える・やや増える」の増加理由を8カ国全体で見ると、「以前より健康に気を使うようになったから」が最も多く、次いで「収入が増えたから」「在宅時間が増加し、子供と過ごす時間が増えたから」が続いた(図15)。

 国別では、8カ国全体で最も多かった「以前より健康に気を使うようになったから」が、すべての国で3位以内の増加理由に入ったものの、ブラジルやインドネシアではその反対の選択肢である「以前より健康に気を使わないようになったから」も3位となった。日本は、ネット販売による購入頻度の増加や生活習慣の変化が上位に挙げられ、他国でも拡大が進むeコマースの浸透がうかがえる。

 一方、「かなり減る・やや減る」の減少理由を8カ国全体で見ると、「以前より健康に気を使うようになったから」が最も多く、次いで「生活習慣の変化により、食生活に変化があったから」「生活習慣の変化により、嗜好性に変化があったから」が続いた(図16)。

 国別では、3位以内の減少理由については8カ国全体とおおむね同一の回答となったが、フランスでは「収入が減少したから」が3位となった。

 





 

5 機能性を有するアメ・ガム・グミの摂食状況

(1)機能性を有するアメ・ガム・グミの摂食頻度
 
8カ国全体の摂食頻度を見ると、アメ・ガム・グミのすべてで「たまに摂食する」とする回答が多かったが、約1割が「毎日摂食する」とした(図17−1、17−2、17−3)。

 国別では、インドがアメ・ガム・グミのすべてで「毎日摂食する」が2割弱から3割弱と回答した。また、「たまに摂食する」にまで範囲を広げるとインドとインドネシアでは9割程度の回答となった。その一方、日本をはじめ、豪州、フランス、米国では「摂食を控えている」「全く摂食しない」が他の4カ国と比較して高くなり、これら地域における機能性食品の展開余地がうかがえる結果となった。

 年齢別では、アメ・ガム・グミのすべてで30代の摂食頻度が最も高く、加齢に伴い摂食頻度は低くなった(図18−1、18−2、18−3)。
 


















 

(2)機能性を有するアメ・ガム・グミの機能や成分の認知度
 
近年、様々な機能性を有するアメ・ガム・グミが登場していることから、その機能性や成分について消費者が認知しているか調査した。

 認知度について8カ国全体では、4割弱が「該当するものはない」とし、次いで「精神的ストレスの緩和(GABA)」「おなかの調子を整える(難消化性デキストリン)」が続いた(図19)。

 国別では、中国、インド、インドネシアは「該当するものはない」が上位3位以内には入らなかった。また、豪州では8カ国の中で唯一「該当するものはない」が6割を超え、「精神的ストレスの緩和(GABA)」が上位3位以内に入らなかった。アジア地域とその他4カ国を比較すると、アジア地域の方がそれぞれの項目に対し回答割合が高い傾向が見られた。

 年齢別では、18〜29歳で「該当するものはない」の回答がもっとも少なかった。また、30代でおおむねすべての項目で1割を超えており、若い世代ほど機能性について比較的関心があることがうかがえた(図20)。
 






 

6 砂糖以外のその他甘味料(注6) を使用したアメ・ガム・グミ への印象

(1)砂糖使用に比べて健康に良いか悪いか
 
健康への評価について8カ国全体では、3割強が「どちらとも言えない」「わからない」としたが、それらを除くと「健康に良いと思う」とする回答の合計(注7)が「健康に悪いと思う」とする回答の合計(注8)を上回った(図21)。

 国別では、インドで「とても健康に良いと思う」が3割強となり、「やや健康に良いと思う」まで範囲を広げると、中国やインドネシアでも5割を超える結果となった。一方、フランスでは8カ国の中で唯一「健康に悪いと思う」とする回答の合計が「健康に良いと思う」とする回答の合計を上回った。日本は「どちらとも言えない」「わからない」が5割強を占めたものの、「健康に良いと思う」とする回答の合計が「健康に悪いと思う」とする回答の合計を上回った。

 年齢別では、30代以下では「健康に良いと思う」とする回答の合計が多く、加齢に伴い「健康に良いと思う」とする回答の合計が少なくなり、「どちらとも言えない」「わからない」が多くなった(図22)。
 

(注6)本稿においては、以後、特に断りがない限り、砂糖以外の甘味料を「その他甘味料」と表記する。
(注7)「とても健康に良いと思う」「健康に良いと思う」「やや健康に良いと思う」の合計。
(注8)「とても健康に悪いと思う」「健康に悪いと思う」「やや健康に悪いと思う」の合計。


 





 

(2)砂糖使用と比べて価格はどうか
 価格への評価について8カ国全体では、4割弱が「どちらとも言えない」「わからない」としたが、それらを除くと「安価であると思う」とする回答の合計(注9)が「高価であると思う」とする回答の合計(注10)を上回った(図23)。

 国別では、インドで「とても安価であると思う」が2割弱と最も回答が多かったが、「やや安価であると思う」まで範囲を広げると、インドネシアが5割強で最も多くなった。一方、豪州、フランス、米国では「高価であると思う」とする回答の合計が「安価であると思う」とする回答の合計を上回った。日本は、「どちらとも言えない」「わからない」5割強を占めたものの、「高価であると思う」とする回答の合計と比較して「安価であると思う」とする回答の合計が上回った。

 年齢別では、若い層ほど「安価であると思う」とする回答の合計が多く、加齢に伴い「安価であると思う」とする回答の合計が少なくなり、「どちらとも言えない」「わからない」が多くなった(図24)。


(注9)「とても安価であると思う」「安価であると思う」「やや安価であると思う」の合計。
(注10)「とても高価であると思う」「高価であると思う」「やや高価であると思う」の合計。


 





 

(3)砂糖使用と比べておいしさはどうか
 
おいしさへの評価について8カ国全体では、3割弱が「どちらとも言えない」「わからない」としたが、それらを除くと「おいしいと思う」とする回答の合計(注11)が「おいしいと思わない」とする回答の合計(注12)を上回った(図25)。

 国別では、インドで「とてもおいしいと思う」が3割弱と最も回答が多かったが、「ややおいしいと思う」まで範囲を広げると、インドネシアで7割弱となり最も回答が多くなった。6(2)の結果を踏まえると、両国ではその他甘味料を使用した商品に対し、安価でおいしいという一定の評価があることがうかがえる。一方、日本、豪州、米国では「おいしいと思わない」とする回答の合計が「おいしいと思う」とする回答の合計を上回り、これらの国では、その他甘味料を使用した商品に対し、肯定的な評価は少ない状況にあることがうかがえる結果となった。

 年齢別では、若い層ほど「おいしいと思う」とする回答の合計が多く、加齢に伴い「おいしいと思う」とする回答の合計が少なくなり、「おいしいと思わない」とする回答の合計と、「どちらとも言えない」「わからない」が多くなった(図26)。


(注11)「とてもおいしいと思う」「おいしいと思う」「ややおいしいと思う」の合計。
(注12)「とてもおいしいと思わない」「おいしいと思わない」「ややおいしいと思わない」の合計。


 





 

おわりに

 本報告では世界8カ国のアメ・ガム・グミの消費動向などを取り上げた。国や年齢、運動の頻度別に傾向が異なり、特にガム・グミではまったく摂食しない層も比較的多く見られた。また、運動頻度が低くなるにつれ、アメ・ガム・グミの摂食頻度が低くなった。1日当たりの摂食量では、アメ・ガム・グミのすべてで1〜2粒とする回答が多かったが、グミはアメ・ガムと比較して摂食量が多かった。アメ・ガム・グミを摂食する理由では、そのものが好きであること、ストレス緩和や口臭対策、集中力の向上など、目的に応じて消費者は商品を選択していることがうかがえた。また、COVID−19流行前後でアメ・ガム・グミの摂食量は変わらないとする回答が大半を占めたが、健康意識の向上や在宅時間の増加、生活習慣の変化による食生活の変化などを理由に摂食量の増加が認められた。今後の摂食量の変化については、半数以上が変化はないと回答した。

 機能性を有するアメ・ガム・グミの摂食状況については、「たまに摂食する」とした回答が全体ではもっとも多かった。年齢別に見ると若い世代ほど機能性を有する商品に対して関心が高いように思われた。また、機能や成分の認知度については、全体では「該当するものはない」がもっとも多いとしつつも、アジア地域では他の地域と比較して関心の高さがうかがえるとともに、一部の国では、機能性を有するアメ・ガム・グミに対し、「摂食を控えている」「全く摂食しない」とする層が一定程度存在することが確認され、消費者層へのアプローチの余地が存在することが確認できた。

 その他甘味料を使用したアメ・ガム・グミの健康・価格・おいしさの印象については、どちらともいえないとする意見が多くを占めたが、その印象については国や年齢によって異なることが確認され、インドやインドネシアでは、全般的に肯定的な状況がうかがえた。また日本では、他国と比べて「どちらとも言えない」「わからない」とした回答が多く、健康・価格・おいしさのそれぞれで印象が割れる結果となった。砂糖使用と比べて健康に良いか悪いかの設問については肯定的な回答が否定的な回答より多く、機能性や低カロリーである点などにその他甘味料の需要があると思われる結果となった。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272