【機構の動き】 野菜需給協議会の開催概要
最終更新日:2012年5月31日
機構が事務局を務める野菜需給協議会は、生産者、流通業者、消費者等野菜関係者が一堂に会し、野菜の生産・出荷状況及び需給・価格の見通しを情報共有するとともに、野菜の消費拡大に向けた取組み等の促進に向けた情報交換を行う場として、年に3回定期的に開催されています。
去る3月16日(金)に機構会議室において開催された第15回野菜需給協議会の概要についてご紹介します。
1 秋冬野菜の需給・価格の状況及び春野菜の需給・価格見通しについて
始めに、事務局から、23年産秋冬野菜の需給・価格の状況について、「冬キャベツ、秋冬だいこん、たまねぎ、冬にんじん、秋冬はくさい、冬レタスの6品目は、低温、少雨、日照不足等の影響により、たまねぎと冬にんじんを除き、1月以降、価格は前年を上回った。」との報告が行われました。
次に、気象予報会社から、今年の春から夏にかけての天気の動向について、「日本付近は、高気圧と低気圧が交互に通過する周期変化で、沖縄と奄美を除き天気は数日の周期で変わりやすい見込み。また、ラニーニャ現象は終息に向かう。」との報告がありました。
続いて、24年産春野菜(春キャベツ、春だいこん、たまねぎ、春夏にんじん、春はくさい、春レタス)について、全農から、生育・出荷状況について説明があり、また、事務局から、「春キャベツについては、出荷量は、全体としては平年並みで平年を上回ると見込まれ、価格は、4月は震災等の影響で安値であった前年を上回るが、5月以降は前年及び平年を下回る見込みである。」等、協議会に先立ち開催された野菜需給・価格情報委員会で取りまとめられた春野菜の需給・価格の見通しについて説明が行われました。
なお、見通しの説明においては、「加工・業務用需要が伸びている中で、加工用産地の育成が今後の大きな課題。」、「消費拡大を行うためには、『簡便性』と『機能性』がキーワードになる。その場合、野菜の機能性については、一時的な情報に惑わされることがないように『医食農連携』を確立し、医学的な根拠をしっかり構築することが必要。」といった、野菜需給・価格情報委員会消費分科会でのご意見も紹介されました。
会員から、「4月からの放射性物質の規制値の引き上げに対応して検査を行う必要があるが、流通のどの段階の負担が重くなるのか。」との質問があり、農林水産省から、「水際のチェックが重要であり、県の衛生部局でまず行っていく。厚生労働省や農林水産省が県の機器整備を支援している。」との答えがありました。
また、「子供への影響が心配なので、しっかりやってほしい。」、「加工業務用原料としてちゃんと使えるよう、安全な野菜だけ流通するようにしてほしい。」との要望がありました。
2 野菜の消費拡大に向けた新たな取組みについて
事務局から、次の取組みを協議会として行う旨の説明が行われました。
(1)野菜シンポジウムの開催(8月31日の「野菜の日」を予定)
(2)消費拡大リーフレットの作成・配布
会員からは、野菜シンポジウムの開催に関し、「野菜の摂取量が少ない若年層を対象にするのであれば、野菜を経済的に食べる工夫を盛り込んで欲しい。」、「若い母親に集まってもらうつもりなら、保育室を用意するなどの工夫が必要。」、「高齢者を対象としたセミナーも行う必要がある。」とのご意見がありました。
3 野菜の機能性や食べ方等に関する新たな知見について
最後に、デザイナーフーズ且s野真理子取締役から、健康を維持するための野菜の食べ方等について説明がありました。
この中では、「抗酸化力を高めるビタミンA、E、Cを多く含む野菜を摂ることが必要。」、「血糖値を上げないためには、最初に繊維質の多い野菜を食べ、次に肉や魚、そしてご飯の順に食べることが大切。」等のお話がありました。
会員から、「必要な成分をサプリで補うのと野菜で補うのとでは違いがあるのか。」との質問があり、「サプリでは過剰になることがある。食品で摂ることを薦めている。」との回答がありました。
また、「あるセミナーで妊婦には葉酸が大事との説明があったがどうか。」との質問に対して、「若い女性を対象とする際には、葉酸の大切さをお話している。」との回答があるなど、活発な意見交換が行われました。
なお、この野菜の食べ方等については、5月15日(火)に開催されたalicセミナーにおいても紹介されました。
※本協議会で配付された資料は、機構のホームページで紹介しています。
【葉酸】葉酸は補酵素として、アミノ酸及びたんぱく質の代謝に関与しています。特に細胞の分化の盛んな胎児にとっては重要な栄養成分です。
(日本食品標準成分表2010から)
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