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【alicセミナー】デンマーク・オランダの養豚生産の状況

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最終更新日:2013年11月6日

調査情報部 宅間 淳

 9月11日に開催したalicセミナーでは、「デンマーク・オランダの養豚生産の状況」をテーマに、現地調査の結果を報告しました。

○規制強化が進むEUのアニマルウェルフェア

 アニマルウェルフェアは、動物(家畜)が持つ本来の行動を発現させ、苦痛・ストレスを与えないように配慮するという考えに基づくものです。EUでは2013年1月に、妊娠期間のストール(柵)飼いの禁止など、豚の飼養に関するアニマルウェルフェアの規制が強化されました。このため、経営面では設備の更新が、生産面では群管理による成長のばらつきなどが課題となり、繁殖母豚の減少や生産効率の低下などが懸念されました。

○デンマーク・オランダの状況 

グラフ
 デンマークとオランダはEUの主要豚肉生産国です。デンマークは日本にとって豚肉輸入量第3位の国であり、また、両国はポーランドなど他のEUの豚肉生産国へ子豚を輸出しています。このため、アニマルウェルフェア規制の強化が両国の繁殖母豚に影響を及ぼした場合、EU豚肉産業全体に波及しかねません。
 両国は、英国など輸出先国の要望に応えるため、アニマルウェルフェアの整備を進めてきました。
図2 アニマルウェルフェア規制に対応した技術開発の例
 デンマークでは、2020年までにスノコ床を完全禁止するなど、EU基準よりも厳格な規制内容を独自に定めています。また、規制状況の確認も、地域の獣医や行政機関が連携し管理されています。
 オランダでは、アニマルウェルフェアへの意識が高く、また、アニマルウェルフェア規制に対応した技術開発も進んでいます。ワーヘニンゲン大学では、メーカー等の民間企業がスポンサーとなり、生産者の協力のもと実証実験を行っています。

○アニマルウェルフェア規制強化の影響

 EUの豚と畜頭数は、2013年1月から4月の合計では、前年同期比で0・7%減少と、現時点では大きな変動は見られませんが、価格は高止まりしています。ただし、繁殖母豚の飼養頭数は各国で減少傾向にあり、特にスペイン、ポーランド、イタリアでは減少幅が大きくなっています。一方、デンマークやオランダでは規制強化への対応はほぼ完了しており、自主的な規制強化により高付加価値化を目指す取り組みが進んでいます。また、EU域内にとどまらず規制強化は国際機関での議論も進んでおり、将来的に貿易のルールに組み込まれる可能性もあるため、今後の動向が引き続き注目されます。
グラフ2

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