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【alicセミナー】「米国のカット野菜などの生産・消費動向と契約取引について」「EUの新規就農支援の状況〜酪農の現地新規就農者を訪問して〜」

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最終更新日:2016年1月6日

 alic調査情報部では、最新の農畜産物の需給状況などを把握するため海外調査を実施しています。11月10日(火)に平石康久よりアメリカ(米国)のカット野菜の動向、12月11日(金)には中野貴史よりEUの新規就農支援の状況について調査結果の報告を行いましたので、その概要を紹介します。

〈米国のカット野菜の動向〉

カリフォルニア州に集中する野菜生産

 米国最大の野菜産地であるカリフォルニア州では、気象条件にも恵まれていることから、産地リレーにより周年で野菜を生産しています。野菜の生産は、大規模化が進み、リレーで産地が移っても生産者が同じという状況も多く見受けられます。同州で生産の多いレタスやブロッコリーなどは、大規模なほ場で収穫したのち、その場でパッキングして出荷されています。

パッキング

盛り上がりを見せているカット野菜市場

 米国で加工野菜と言えば、冷凍野菜や缶詰が代表的なものでしたが、最近は食事までの準備が省けるカット野菜の消費が伸びています。スーパーなどの小売店では、お皿に盛り付けるだけで食べられるパックドサラダやスティック状にしたセルリーやにんじんなどをパックしたスナック野菜、鶏肉なども添えられそのままおかずとして食べられる調理済サラダなど、ある程度まで加工した野菜の販売スペースが広く取られています。また、最近は、消費者の健康志向を背景に、野菜をそのまま破砕してジュースにしたスムージーや一つのカップにさまざまな野菜を彩りよく詰めたジャーサラダも流行している商品です。

カット野菜の流通は契約取引が主流

 米国での野菜の流通は、日本の卸売市場と同様の機能を有するような取引の場は存在しません。出荷業者(中には自ら生産や加工を行う者もいる)や加工業者などの“出荷者”と小売業者などの“実需者”が仲介業者を通して行う取引、または、出荷者と実需者との規模の大きな直接取引が一般的となっています。規模が大きくなってきたカット野菜分野についても出荷者と実需者で直接行う契約取引が主流となっています。出荷者と実需者の間での契約取引の形態としては、(1)価格を固定した取引、(2)価格に幅をもたせた取引、(3)出荷先と品目だけ決まっている取引、が見受けられます。さらに、これら3類型に第三者からの安全性の認証や実需者固有の品質や包装といった付帯サービスが加わる形態も多く見られます。また、生産者と出荷者の間でも、(1)面積契約、(2)数量契約、(3)販売額から出荷者が必要とした費用を差し引いた利益を折半する利益分配方式、(4)収穫などの作業を出荷者に委託するがリスクは生産者が負う生産者主導型方式、というような契約が結ばれていることが多くなっています。
【参考】野菜情報 2015年9月号「米国のカット野菜などの生産・消費動向と契約取引状況」
http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/tokusyuu/1509/tokusyuu_05.html

〈EUの新規就農支援の状況〉

EUにおける農家の高齢化

CAP

 日本と同様EUにおいても農家の高齢化が進んでいます。加盟国により差はあるものの、2013年におけるEU全体の農業経営者の年齢構成では、65歳以上が31・1%、64歳〜55歳が24・7%、54歳〜45歳が22・9%、44歳〜35歳が15・2%、34歳以下が6・0%となっています。このような中、2013年に合意された現行CAP(共通農業政策)では、新規就農対策が強化されました。

新規就農対策がCAP「第1の柱」に

第一の柱

 CAPは、中心政策である価格・所得政策(直接支払い)を内容とする「第1の柱」と農村振興政策を内容とする「第2の柱」から構成されています。現行のCAPでは、それまで「第2の柱」の中で加盟国が任意で実施していた新規就農対策を「第1の柱」にも組み込み、青年就農スキームとして、条件を満たした新規就農者には基本支払額(直接支払い額)の25%相当を最大5年間上乗せして支給することが加盟国に義務付けられました。

資金サポートだけでは続かない新規就農

 現行CAPの下、加盟国では第1の柱と第2の柱を組み合わせ、それぞれの国内の状況に合わせた新規就農対策が実施されています。例えば、EU最大の農業国であるフランスでは、青年就農スキームにおいて、一年当たり2312ユーロ(約31万円)を上限に基本支払いに上乗せして支払われます。また、第2の柱には、条件を満たした新規就農者に一年当たり8000ユーロ(約100万円)〜30000ユーロ(約400万円)支払われる青年就農者助成金や若年就農者向けに低利で融資される青年就農低利融資などの制度も組まれています。このように、EUではCAPのさまざまな対策により、多額の初期投資を必要とする新規就農のハードルを下げ、農業へ参入しやすくしています。しかし、初期の資金支援が、必ずしも新規就農者のその後の成功につながるとは限りません。成功に結びつくカギは、「農家=企業(経営者)」としての意識であり、そうした意識の高い農家をサポートする体制であると考えられています。
 当日の詳しい資料は、こちらに掲載してありますのでご覧ください。
http://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000421.html
【参考】畜産の情報2015年12月号 「EUの新規就農支援の状況」
http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2015/dec/wrepo01.htm

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