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【レポート】中国の豚肉需給動向

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最終更新日:2016年11月2日

 中国では世界で最も多く豚が飼育されていて、豚肉生産量も世界最大ですが、2014年に、豚肉の供給過剰によって価格が低迷したため、生産者の経営が悪化しました。これをきっかけに小規模経営を中心に離農が進んだことなどから、豚の飼養頭数が減少傾向にあります。

上位国

農村部での増加が見込まれる豚肉消費量

推移

量販店

 豚肉は中国で最も多く消費される食肉で、食肉消費全体のおよそ6割を占めると言われています。経済的に比較的豊かな都市部では、購買意欲は満たされてきており、その市場は成熟しつつあるといわれています。しかし、これまで所得が低く、豚肉消費量の少なかった農村部では、所得の向上により、今後も消費量が伸びると見込まれています。
 また現地の食肉関係者などによると、今後、一人っ子政策の廃止などにより、人口が増加し農村部などの消費量の伸長が見込まれています。現在、中国の豚肉自給率は100%に近いのですが、飼養頭数の減少が続くことも予想されているため、将来的には、需要の増加に対して減少する供給量を補うため、輸入量が増加して、自給率が低下する可能性が指摘されています。

豚肉輸入量は今後も増加傾向

推移

推移

 輸入豚肉の供給者に目を向けると、かつて最大のシェアを誇りつつも、ラクトパミン(注)の使用問題で一時期輸入が低迷していたアメリカ産は、ラクトパミンを使用しない豚肉の生産と輸出を進めているため、その輸入量は回復していくと見込まれています。また、中国の食肉企業がラクトパミン不使用のアメリカ産豚肉を原料に使用した加工品の工場を中国・湖南省に設置・稼動させたことなども、輸入量の回復・伸長が見込まれる要因となっています。

注:アメリカなどで使われている豚や牛の体重増加や飼料効率の改善、赤身肉割合の向上に用いられる飼料添加物。2013年3月から中国政府は、ラクトパミン無残留証明書の添付を輸入の条件としている。
 
 また、政治的理由によりロシアへの輸出が困難となったEU各国の豚肉は、中国に輸出先をシフトさせたことにより近年輸入量が伸長しています。経済発展にともなう所得の向上により、日本向けのような比較的単価の高い部位なども含む幅広い価格帯の豚肉を購入するようになるなど、中国は豚肉輸出国にとって有望な輸出先となっています。

注目が集まる中国の豚肉需給

推移

 豚肉の価格が絶えず乱高下している中国では、生産者は常に経営上のリスクにさらされていますが、政府は大規模経営向けの対策以外に、有効な生産振興策を講じてきていないとされています。このため、家族経営を中心とした規模の小さな養豚経営で離農が進み、短期的に見ると養豚は縮小傾向にあります。しかし他方では、大手企業による大規模インテグレーションの計画が公表されるなど、国内業界再編の動きが見られます。
 世界の豚肉需給において、約14億人もの人口を有する最大の豚肉消費国である中国は、将来の有望な輸出先として、また国際需給の変動要因として今後ともその動向が注目されます。

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