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【トップインタビュー】新商品の開発とともに成長が続く清涼飲料水〜生産量は右肩上がりで推移。日本人が毎日500mlを約1本飲んでいる計算に〜

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最終更新日:2018年5月9日

一般社団法人全国清涼飲料連合会 会長 小郷 三朗 氏(サントリー食品インターナショナル株式会社 代表取締役社長)に聞く

 水分補給だけでなく楽しさや癒やしの時間を提供してくれる清涼飲料水は、商品開発やマーケティング活動によって、市場規模を拡大しています。そこで、清涼飲料水の業界の発展に取り組んでこられた一般社団法人全国清涼飲料連合会の小郷会長にお話を伺いました。
 
正面

連合会について教えてください。

 一般社団法人 全国清涼飲料連合会(全清飲)は、清涼飲料水製造・販売事業者およびその関連事業者とその事業発展に貢献する事業者などで構成する団体で、昭和30年に社団法人の認可を受け活動を続けてきました。平成29年には工業会から連合会に名称を変更し、清涼飲料水の製造事業者だけでなく、賛助会員には関連事業者の方にも入っていただきました。現在の会員は、飲料の製造販売者66会員(254社)の他、賛助会員144社となっています。

 全清飲は、清涼飲料水の業界団体として共益と公益を優先し、会員の法令遵守の徹底、品質の向上や安全の確保、国内外への情報発信などの活動をしています。

ドリンクジャパン

そもそも清涼飲料水とは何ですか。

 清涼飲料水は、食品衛生法上は「乳酸菌飲料、乳、乳製品、アルコールを除くすべての飲料」と定義されています。主なものとして炭酸飲料や果実飲料、野菜飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、豆乳などがあります。

 ちなみに、日本に初めて炭酸飲料が伝えられたのは1853年、アメリカ合衆国のペリー提督が艦隊を率いて浦賀に来航した時、幕府の役人に積んでいた「炭酸レモネード」を飲ませたのが始まりであり、この「レモネード」という言葉がなまって「ラムネ」になったといわれています。 

日本の清涼飲料水の特徴は。

 欧米市場ではまだ炭酸飲料の比率が比較的高いですが、日本は炭酸飲料など昔からある定番の商品に加え、コーヒー飲料や茶系飲料など商品ジャンルの多様化が進んでいます。
 日本の清涼飲料市場の黎明期(れいめいき)は、家庭では作れないコーラをはじめとする炭酸飲料、そして果物をそのまま食べるよりも簡単においしさを楽しめる果実飲料から始まりました。その後、高度成長期の後期に缶コーヒーが誕生し、ユーザーが子どもだけでなく大人にも拡大、昭和55年にはスポーツ飲料という水分補給に適した新たなカテゴリーが生まれました。そして、烏龍茶・紅茶、ブレンド茶といったお茶のRTD商品(※)が普及し、かつては飲むたびに手間をかけていた緑茶や麦茶、遂には水にまでお金を払って飲むことが当たり前の時代へと進化し、市場は拡大してきました。
 炭酸飲料や果実飲料といった古くからある伝統的なカテゴリーは消えることなく一定の規模で残り、新たに生まれたカテゴリーが次々に上乗せされて市場が成長してきました。特に、RTD化した無糖飲料の多様化と成長が、海外の飲料市場とは異なった発展のプロセスであり、日本市場の独自の成長パターンとなっています。
 また、容器については、私が子どもの頃は王冠のついた瓶入りが主流で、飲料を飲むには栓抜きが必要でした。それが缶飲料に変わっていくのですが、最初は飲み口がなく、缶切りで穴を開けて飲んでいました。その後、昭和42年にプルタブを切り離して開けるプルトップ缶の商品が採用、平成2年には散乱防止のため、ふたを開けた後も、ふたが缶にとどまる現在よくみられるステイオンタブ缶へと進化しました。それでも、買った飲料はふたを開ければそこで飲みきらなければいけないものでした。そして、平成8年に500ml程度の小容量ペットボトルの使用に関する自主規制が撤廃されてからは、缶から小容量ペットボトルへのシフトが加速しました。軽くて持ち運びに適し、リキャップできて、いつでもどこでもすぐ飲める小容量ペットボトルにより、飲料のモバイル化が進行しました。このモバイル化によって、買ったらすぐ飲み干す必要のある即時消費よりも、飲む機会・頻度が増え、1人当たりの消費量のアップにつながりました。 
 加えて、日本独自の特徴である自動販売機が普及したことにより、いつでもどこでも飲料が簡単に買える環境が整備されていきました。また、昭和49年にセブンイレブンの第1号店ができて以来、コンビニエンスストアの出店が加速していったことも総市場の拡大に大きく寄与しています。

(※)RTD商品とは、レディ・トウ・ドリンク(Ready To Drink)の略で、広義には購入後ふたを開ければそのまま飲める形態の商品のことをいう。

ペットボトル

清涼飲料水の需給について。

 清涼飲料水の生産量は天候に左右されるため単年での増減はありますが、全清飲が社団法人化した昭和30年から平成29年の62年の間で生産量は63倍となり、基本的には右肩上がりの成長を実現してきました。現在、日本人1人当たりで換算すると、子どもから大人まで毎日500mlのペットボトル約1本を飲んでいる計算になります。

 また、生産者販売金額では平成29年で3兆9479億円となり、1日100億円強の販売金額は加工食品の中でナンバーワンの市場規模であります。

 20年ほど前までは人口や所得の増加などに伴って拡大してきましたが、直近では少子高齢化や人口減に直面しています。このような状況下でも成長を持続できているのは、各企業がさまざまなイノベーションに取り組み、1人当たりの消費量を拡大してきたからです。

水分補給にとどまらない、清涼飲料水の魅力とは。

 通常、大人の生命を維持するために必要な水分量は1日2・5?と言われており、そのうち1・2?は食品自体の水分などから補給されます。残り1・3?は飲み物から摂取する必要がありますが、清涼飲料水は、いつでもどこでも手軽に飲めて水分補給に便利な商品です。東日本大震災の時は、命をつなぐライフラインとして、いち早く救援物資を現地に届けました。

 また、清涼飲料水は水分を補給するだけでなく、日常生活において楽しさや癒やしを感じていただける嗜好(しこう)品でもあります。例えば缶コーヒーは、外回りの営業の方やドライバーの方などが汗を流した後に一休みしたい時や短い時間でリフレッシュしたい方などに受け入れられ、一定の市場を獲得してきました。一仕事終えた後は、リラックスする時間と糖分を欲しますからね。

消費者の志向について。

環境
 最近では、消費者は「どうせ飲むなら体に良いものを」という健康志向が強まっています。
 中でも、特定保健用食品(トクホ飲料)や機能性表示食品への注目も高まっています。こうした飲料は、サプリメントのように特別にそれを飲む必要がなく、普段飲んでいるお茶などの飲料をトクホ飲料や機能性表示食品に代えるだけなので、簡単に摂取できることが大きな魅力です。しかしながら、飲料だけ飲んでいればいいかというとそうではありません。全般的な食生活の改善や適切な運動とあわせて初めて効果が出るものなので、そういったことも一緒に普及していきたいと思っています。 

清涼飲料水と砂糖について。

 人は、糖分を求めるというDNAを持っていますから、砂糖入りの清涼飲料はおいしいですよね。人間として必要な物質でもありますので、本能として欲する部分、また、成長期など人間のライフステージにおいて必要な栄養素でもあります。砂糖に対する正しい知識をきっちりと啓発していくことも業界にとって重要な役割の一つだと思っています。

業界としての今後の方向性や展望について。

 日本においては、今後、人口増や所得増が望めない以上、いかにイノベーションを起こして、1人当たりの消費を伸ばしていくかが成長に向けたキーポイントになると思います。
 これまで清涼飲料水が担ってきた「水分摂取」、「安心・安全」、「美味・高品質」、「簡便・安価」といったベースとなる価値を引き続き満たしながら、今後は、「健康問題」や「環境問題」といった人間と社会が抱える大きな課題の解決に貢献していきたい。また、「もっと豊かに」、具体的にはもっとおいしく、作りたてのようなフレッシュさや、自然のおいしさの追求といった付加価値の高いものを実現していくこと、さらには「もっと便利に」というお客さまの不変のニーズを満たすソリューションを提供することが重要になってくるのではないでしょうか。

一般社団法人全国清涼飲料連合会 会長 小郷 三朗 氏(サントリー食品インターナショナル株式会社 代表取締役社長)

昭和29年生まれ  大阪府出身

昭和52年      京都大学法学部卒業

昭和52年      サントリー株式会社(現サントリーホールディングス株式会社)入社
            洋酒事業部長、宣伝事業部長等を経て

平成23年      サントリー食品インターナショナル株式会社専務取締役に就任。同社副社長を経て

平成28年       同社代表取締役社長就任
            一般社団法人全国清涼飲料工業会 副会長就任

平成29年      一般社団法人全国清涼飲料連合会 会長就任

横顔
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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