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【まめ知識】「仙台白菜」

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最終更新日:2019年1月9日

宮城県で誕生した松島系品種はわが国のはくさいの原型のひとつ

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 明治時代に中国の華北(かほく)地方から伝来した種子をもとに、大正時代に宮城県松島湾内の浦戸(うらと)諸島で育成された「松島白菜」はわが国のはくさいの原型のひとつと言われています。その後、育種された「松島純一号」や「松島純二号」は大正末期に東京や横浜に「仙台白菜」として出荷され、宮城県は昭和初期まで出荷量日本一のはくさい産地として全国にその名をとどろかせました。
 現在、主流となっているF1品種(※)と比べて、葉が柔らかく輸送中に傷つきやすいため、松島系品種の栽培は減少していますが、地元では品種改良が加えられ今日まで脈々と受け継がれています。

(※)異なる形質や長所をもつ2つの品種を親として交配して作られる雑種一代目の品種
 

『仙台白菜プロジェクト』で ふるさと再建

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 2011年3月の東日本大震災で被害を受けた畑では、塩分濃度が高いことから生産できる作物が限定されていました。そんな中、仙台に古くから縁のある野菜であり、かつ塩害にも強いという特徴があったため仙台白菜が復興のシンボルとして注目されました。J A全農みやぎが中心となって始まった「仙台白菜プロジェクト(旧:みんなの新しいふるさとプロジェクト)」では、仙台市民をはじめとする方々が、8月の播種(はしゅ)、9月の定植、11 月の収穫といった作業を通し、生産者と消費者の垣根を越えて農業復興と地域の再建に一丸となって取り組んでいます。
 

受け継がれる「仙台白菜」

 地元の私立明成(めいせい)高校と宮城県立農業高校では、はくさいの原型のひとつが誕生した地であるという歴史を踏まえて仙台白菜の栽培を教育現場に取り入れています。また、生産者やみやぎ生協、さらに消費者にも仙台白菜を継承する活動の輪が広がっています。   2016年からは、伊達(政宗)家の農場「養種園」がルーツである「せんだい農業園芸センター」に活動の拠点が移り、さらに都市型農園での栽培なども提案しています。

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