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【まめ知識】「地理的表示(GI)登録された福井県の伝統野菜」吉川ナス、谷田部ねぎ、山内かぶらが、2016年、地理的表示(GI)に登録されました。

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最終更新日:2019年3月6日

はじめに

 各地には、伝統野菜と呼ばれる何世代にもわたり選抜・淘汰されてきた固定種の種子で栽培される野菜が残っていますが、品種改良されたF1種(1代雑種)に比べて、栽培が困難、収量が低いなどの理由から、生産者が減少しています。そうした中、2015年から始まった地理的表示(GI)保護制度(注 )が、伝統野菜の生産維持に向けた1つの解決策として期待されています。そこで、伝統野菜として全国に先駆けてGIに登録された福井県の吉川ナス、谷田部ねぎ、山内かぶらを紹介します。

(注 ):地域の伝統的な産品について、長年培われた特別な生産方法や特性といった価値を国が保護する制度で、登録された産品には品質を証明する「GIマーク」を付けることが認められます。
 

吉川ナス

いろいろ1

 吉川ナスは、鯖江(さばえ)市旧吉川村一帯で作られてきた楕円〜やや巾着型の丸なすです(写真1)。GI 登録生産者団体は「鯖江市伝統野菜等栽培研究会」で、取得後は県外に新たな販売先を確保でき、生産量および新規生産者も増加しています。
 

谷田部ねぎ

いろいろ2

 谷田部ねぎは、小浜(おばま)市谷田部集落で作られてきた軟白部が釣り針状に曲がっているねぎです(写真2)。GI登録生産者団体は「谷田部ねぎ生産組合」で、取得後は新規生産者が増え、生産者団体による目ぞろえ会が実施されるなど、さらなる品質向上に取り組んでいます。

山内かぶら

かぶら

 山内かぶらは、若わか狭さ町山内地区で作られてきた直径が8センチ以上の円えん錐すい形のかぶです(写真3)。GI登録生産者団体は「山内かぶらちゃんの会」で、取得後はPR 活動の効果により県内外からの注文が増え、同産品を使った新商品の開発にも取り組んでいます。

まとめ

 GIに登録されるには、農林水産省の厳しい審査をクリアし、登録後も国が品質管理状況の確認を行うため、各産地では品質管理体制を強化して生産に取り組んでいます。全国的に伝統野菜の生産量や生産者が減少している中で、行政と連携して生産維持を図るという点で、GI取得は有効な手段です。  しかし、GIマークを目印に購入する消費者はまだ少ないのが現状です。GIマークが付いた野菜を見かけたら、ぜひ味わってみてください。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196