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【まめ知識】野菜のいろいろ「練馬大根」

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最終更新日:2020年1月8日

練馬の伝統野菜「練馬大根」

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 練馬大根の栽培は、江戸時代に始まったといわれています。練馬周辺の土壌は関東ロームと呼ばれる褐色の赤土の上に積もった枯れ葉などが腐植してできた黒ボク土で、だいこんの栽培に好適だったことから栽培が盛んになり、また、大消費地である江戸の近郊供給地として急速に発展していきました。しかし、昭和初めの大干ばつや幾度かの病気の発生、都市化による農地の減少などにより、生産が減少していきました。

 昨今、江戸時代から練馬周辺で栽培されてきた練馬の伝統野菜である練馬大根を復活させようという取組みが進められています。令和元年現在、年間約1万4千本が生産され、JAの直売所などで販売されるほか、区内の漬物事業者が伝統的製法で漬け込んだたくあん漬けも2月から販売されています。

練馬大根の特徴

 練馬大根は、白首系だいこんです。現在栽培されているだいこんの主流である青首系は、地上に伸びる性質が強いですが、白首系は地中深くに根を張る性質があります。また、青首系はある程度太さが均等で先にすぼんだ形をしていますが、練馬大根は首と尻部が細く、中央部が膨らんでいるため、青首系に比べて引き抜く時に3〜5倍の力が必要といわれています。肉質は緻密で水分が少ないため実が締まっています。乾きやすく、干し大根に適しているため、もともとは主にたくあん漬け用として栽培されていました。 

「練馬大根引っこ抜き競技大会」

 練馬区は、東京23区内の農地の約40%を有し、区民の生活とも身近な形で都市農業が営まれています。恒例行事である「練馬大根引っこ抜き競技大会」(練馬区及びJA東京あおば主催、毎年12月ごろに開催)は、参加者を募るとすぐに定員に達してしまうほどの人気ぶりです。大会では約5千本の練馬大根が収穫され、学校給食に提供されています。
 

おすすめの食べ方

だいこん

 だいこんは部位によって硬さや辛味、甘味が異なります。おでんやふろふき大根には甘みのある中央部分、辛味を生かした味噌煮などには先端部分と使い分けて、一本まるまる活用してみて下さい。


 「野菜情報」2019年9月号では、「地だいこんの遺伝資源としての価値と全国の地だいこん」として各地の地だいこんを紹介しています。ぜひ、ご参照ください。

 

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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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