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【alicセミナー】豪州の牛肉需給展望 〜持続可能な牛肉生産を踏まえて〜

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最終更新日:2022年3月2日

 JETRO シドニー事務所の赤松大暢氏によるセミナー「豪州の牛肉需給展望〜持続可能な牛肉生産を踏まえて〜」を令和3年12月16日(木)にオンライン開催しました。

肉牛の放牧風景(西オーストラリア州)

 豪州の牛肉生産は、気象条件に左右される構造にあります。2018〜19年にかけて発生した干ばつによる影響で、2020年6月には過去25年間で最低の牛飼養頭数を記録しました。その後の適度な降雨により、飼料穀物や牧草の生育が順調となり、農家の牛の保留意欲が高まったことで、現在は牛群の再構築が進展しています。依然として牛の需給がひっ迫し、価格も高騰を続けていることから、肥育業者の間では出荷時体重を増やして高く販売しようとする傾向が見られ、枝肉重量が増加基調にあります。今後、牛群の再構築が2022年まで継続し、と畜頭数や牛肉生産量は2023年までに干ばつ前の水準まで回復すると見込まれています。
 また、牛の増頭が図られる中で持続可能な牛肉生産に向けて、温室効果ガス(GHG)排出量の削減といった環境対策やアニマルウェルフェアへの対応など、豪州政府、業界団体および民間企業で連携してさまざまな取り組みが行われています。
 このように、豪州産牛肉は、生産量の回復とともに、今後の世界の牛肉市場で持続可能な牛肉として存在感を増してくる可能性があると考えられます。
 参加者からは、「短時間で豪州の牛肉事情をかなり理解できた」「豪州の畜産情勢や今後の展開について知ることができ良かった」といった感想が寄せられました。alicでは皆様のご意見を踏まえ、今後も情報提供に取り組んでまいります。

牛肉の生産過程でGHG の吸収などにより排出量を実質ゼロとした、カーボン ニュートラル100% をうたう商品(シドニー市内小売店で撮影)

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196