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「かんしょでん粉」について

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最終更新日:2016年2月17日

 alicから、皆さんの食生活に関連した情報をお届けします。 今回は、かんしょでん粉(さつまいもでん粉)をご紹介します。

かんしょでん粉とは

 かんしょ(さつまいも)からとれるでん粉のことです。原料のかんしょを洗浄し、磨砕、分離、精製、脱水、乾燥の工程を経て、かんしょでん粉ができ上がります。
 また、この工程で発生するでん粉かすは家畜の飼料などとして有効利用されています。

かんしょでん粉の利用

 かんしょでん粉を日常の生活の中で直接目にする機会はあまり多くないかもしれません。しかし、実は身近にあるものの原材料としていろいろなものに利用されています。
 清涼飲料水などで使われている異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)やぶどう糖、水あめなどの甘味料(糖化製品)、お菓子・麺類・水産練製品などの食品、その他、化工でん粉として医療用や工業用などの用途に仕向けられるものがあります。

用途別の仕向量割合(資料:農林水産省調べ)
用途別の仕向量割合(資料:農林水産省調べ)

SYとは、でん粉年度のことをいい、10月に始まり翌年の9月までです

かんしょでん粉の特徴

 でん粉は水と熱を加えると粘り気がでて、いわゆる糊状になり、冷却すると弾力が出て固形化します。この粘りや弾力を利用して食品の製造にも活用されています。
 かんしょでん粉は独特な食感と風味があり、それが好まれて和菓子や春雨、葛きりなどに用いられています。また、焼き菓子などの製造に使用するとサクサクとした軽さと口どけのよさを併せ持った食感が得られます。
 
 近年、でん粉原料用かんしょの新品種「こなみずき」が開発され、このかんしょから作られたでん粉製品も販売されています。
 なみずきのでん粉は従来のかんしょでん粉に比べ糊状に変化する温度が低く、耐老化性(時間の経過とともに、白濁、離水、硬化といった現象が起こりにくい)などの特性があり、ゼリー状の食品への利用に適した製品として注目されています。今後のさらなる普及が期待されるところです。

冷蔵1日後の葛餅の様子

(1)タピオカ濁りは少ないが、水分が浸出し、弾力がない。
(2)一般さつまいも白濁し、硬化しており、串を入れるとひび割れてしまう。
(3)こなみずき串を入れた時に弾力があり、一般さつまいもに比べ、濁りも少ない。

写真提供:日本澱粉工業(株)

(3)こなみずき  (2)一般さつまいも   (1)タピオカ
(3)こなみずき  (2)一般さつまいも   (1)タピオカ

かんしょでん粉の利用用途の拡大に向けて

 alicでは、かんしょでん粉の食品への利用促進に向けた取り組みとして、「かんしょでん粉の製造事業者と実需者との交流会」を開催しており、製造事業者と実需者、流通事業者の関係者を対象とした情報交換の場を提供しています。
 今年は2月に福岡で開催を予定しています。
 

おわりに

 alicでは、消費者の皆様にかんしょでん粉が安定的に供給されるよう「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、国内のでん粉原料生産者及びでん粉製造事業者の支援を実施しています。
 また、alicのHPでは、かんしょでん粉を使ったレシピも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196