消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 業務などに関する解説・紹介記事 > 国内の豚肉生産と養豚経営への支援について

国内の豚肉生産と養豚経営への支援について

印刷ページ

最終更新日:2020年10月21日

 私たちの食生活に欠かせない豚肉の供給量は、一人一年当たり12.8kg(牛肉は同6.5kg、鶏肉は同13.9kg)となっており、そのおよそ半分が家庭用消費で、残りはハム・ソーセージなどの加工品や外食で消費されます。
 また、供給量の約半分は国産品が占めています。輸入品は、主に米国やカナダ産で、加工品や外食で多く使用されています。
 今回は、私たちの食卓を彩る豚肉となる肉豚(にくとん)の品種と一般的なライフサイクルのほか、国内の養豚経営に対するalicの支援についてご紹介します。

豚の品種

 私たちが普段食べている豚肉の大半は、「三元交配豚」と呼ばれるもので、3種類の品種を交配した豚から生産されます。
 なぜ、異なる品種を掛け合わせるのかというと、それぞれが持つ、「発育性」「多産性」「肉質」などを向上させ、効率的に生産を行うためです。
 では、日本国内で生産・流通している三元交配豚は、どのような品種を掛け合わせているのでしょうか。
・ランドレース種
 発育が極めて早く、肉質も背脂肪が薄く、赤肉率が高い。
・大ヨークシャー種
 繁殖能力が高く生産頭数が多い。肉質は赤肉率が高く、加工品の原料として高い評価を得ている。
・デュロック種
 ランドレース種と大ヨークシャ―種を掛け合わせてできた雌と交配する雄として多く利用され、飼養頭数も多い。また、肉質も良い。(豚の品種 参考:農林水産省「畜産・酪農に関する基本的な事項」)
 
 以上のように、それぞれが優れている点を発揮してくれるからこそ、私たちはいつでもおいしい豚肉を食べることができます。

出荷まで約6カ月

 母豚は、1年に約2回(牛は1回)分娩し、1回当たり平均11頭の子豚(牛は1頭)を産みます。
 子豚は、出生から約1カ月すると離乳され、出荷月齢約6カ月までの間、生育段階に合わせた配合飼料など(必要な栄養素をまとめて摂取できるエサ)を与えられ、体重は、出生時の1.4kgから110〜115kgになります。 
 その後、食肉市場や食肉センターでと畜・処理され、卸売業者を経て、小売店の店頭に精肉として並びます。
豚のライフサイクル 資料:農林水産省「ポケット畜産統計」
豚のライフサイクル 資料:農林水産省「ポケット畜産統計」

養豚経営への支援

 養豚経営の所得は、豚肉の販売収入と生産コストの差額で決まるため、豚肉価格や配合飼料などの価格の変動により影響を受けます。このため、alicでは、養豚経営の安定と国産豚肉の安定供給を目的として、「肉豚経営安定交付金制度」を実施しています。
 この制度は、販売収入(標準的販売価格)が生産コスト(標準的生産費)を下回った場合に、生産者の拠出により積み立てた資金と国費から、その差額の9割を交付金として交付するものです。
 
 豚肉には炭水化物の代謝を助けてエネルギーを作り、疲労回復を促進するビタミンB1などの栄養素が豊富に含まれています。季節の変わり目で風邪を引きやすいこの季節に、おいしい国産豚肉を使った料理を積極的に召し上がってはいかがでしょうか。
肉豚経営安定交付金制度の仕組み
肉豚経営安定交付金制度の仕組み
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196