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新型コロナウイルス感染症関連の情報

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最終更新日:2020年12月10日

新型コロナウイルス感染症関連の情報

2020年12月

調査情報部

 調査情報部では世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各国政府の対応など需給に影響を与えるタイムリーな情報を、海外情報としてホームページの以下のURLに随時掲載しております。  (掲載URL:https://www.alic.go.jp/topics/index_abr_2020.html
 ここでは、11月10日までに掲載したものをまとめて紹介いたします。

目次

・【欧州】
(令和2年11月10日付)欧州委員会、砂糖の短期的需給見通しを公表

・【アジア】
(令和2年11月2日付)ISMA、2020/21年度の砂糖生産予測を発表(インド)

【欧州】

(令和2年11月10日付)欧州委員会、砂糖の短期的需給見通しを公表

 欧州委員会は2020年10月5日、9月中旬までの市場情報に基づき、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって急速に変化する状況や影響などを可能な限り反映した農畜産物の短期的需給見通し(注1)を公表した。このうちの砂糖の需給見通しの概要について紹介する。

 なお、EU・英国間においては、将来の貿易環境がどのように変化するか不確定であるものの(参考)、農畜産物の関税や非関税障壁が発生しない現在と同じ条件であることを仮定し、欧州連合(EU)離脱の移行期間にある英国(注2)を含まないEU加盟27カ国を対象としている。

(注1)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年3回(晩冬、初夏、初秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。
(注2)英国は現在、EU離脱(BREXIT)したものの、EU法の適用下の「移行期間」にある。移行期間は2020年12月31日に終了予定。

2019/20年度、EUと英国の輸出量が最低水準に

 2019/20年度(10月〜翌9月)のEUと英国を合計した砂糖生産量は、前年度を23万トン下回り、過去5年平均を3%下回る1740万トンになると見込まれている。

 EUと英国の砂糖平均価格は、今年度前半に上昇し、今年度後半の数カ月は1トン当たり380ユーロ(4万6740円:1ユーロ=123円)前後で安定していた(図1)。一方、国際価格は7月に再び下落し、3月以降はEU・英国価格と国際価格の差は、同50ユーロ(6150円)から70ユーロ(8610円)の範囲で拡大した。

 同年度の砂糖消費量は、外食産業の営業停止などCOVID-19の拡大防止措置の影響などにより、前年度比2.5%減に相当する50万トン程度の減少が見込まれている。

 また、EUと英国を合計した同年度の砂糖輸出量は、同地域での生産量の減少、国際需要の減少、国際価格の安値傾向などから、低水準にとどまっており、2010/11年以来の最低水準である80万トンになると見込まれている。なお、輸入量は185万トンと、前年度を3%程度下回るとみられる。

 この結果、EUおよび英国の期末在庫量は同22%増の220万トンと見込まれている。

 

2020/21年度、降水量不足などで減産の見通し

 2020/21年度のEUにおけるてん菜の単収は、西部地域での降水量不足およびてん菜萎黄(いおう)病の影響により、5年平均をわずかに下回る1ヘクタール当たり73トンと見込まれている(図2)。同年度のEUのてん菜作付面積は、150万ヘクタールになるとみられ、生産量は前年度比3%減の1億900万トンと見込まれている。

 この結果、平均ショ糖含有率を用いた同年度の砂糖生産量は、前年度の1620万トンより1.9%少ない1590万トンとなることが見込まれている。

 一方、同年度の消費量は、COVID-19の影響によって落ち込んだ前年度からの回復が見込まれ、2018/19年度の水準にまで近づくと見込まれている。

 また、同年度の輸入量は前年度並みになると予想される一方、輸出量は増加して120万トンに達する可能性があると見込まれている。

 欧州委員会は報告の中で、COVID-19の農業・食品部門へ与えた影響を考慮することが今回の課題であったとした。また、COVID-19により、電子商取引による食品販売の増加や、地産地消の進展などの食品システムへの変化があったとする一方、COVID-19の第二波の程度や経済的影響を緩和するために各加盟国が措置する対策の成否など不確定要素が多くあることから、2021年の景気回復の展望や農業市場への影響などを見通すことには注意が必要であるとしている。

  

【アジア】

(令和2年11月2日付)ISMA、2020/21年度の砂糖生産予測を発表(インド)

 インド製糖協会(ISMA)は10月19日、2020/21砂糖年度(10月〜翌9月)の第1回砂糖生産予測を発表した。その概要は以下の通り。

インド全体では、前年度からかなり大きく増加する見込み

 ISMAは、砂糖の国内生産量上位3州(図1)のほか、その他の州においても前年度と同程度かそれ以上の増産を予測しており、インド全体では2020/21年度に3302万トン(精製糖換算。以下同じ)の砂糖が生産されると見込んでいる。このうち、サトウキビの搾り汁および糖みつ(Bモラセス(注))の一部が、エタノール生産に仕向けられることによって砂糖200万トン分が削減されることから、最終的な砂糖生産量は約3100万トン(前年度比13.1%増)と見込んでいる。

 なお、2020/21年度の砂糖需給(表)についてISMAは、期首在庫は前年度の1458万トンより少ないものの、砂糖生産量の増加を見込んでいることから、在庫圧縮のために、同年度も600万トン程度を輸出する必要があるとしている。

(注)砂糖の製造工程では、搾り汁を煮詰めて結晶化させる。これを遠心分離機で脱水し、砂糖の結晶と糖みつを分離する。このとき得られた糖みつをAモラセスと呼び、Aモラセスにはまだ砂糖が含まれているので再度煮詰め、脱水する作業を繰り返す。このとき脱水して取り出した糖みつをBモラセス、Bモラセスを煮詰めて脱水し、取り出した糖みつをCモラセスと呼ぶ。こうした工程により、各モラセスに含まれる砂糖の量はA>B>Cの順に多く、搾り汁のうち回収可能な砂糖はAモラセスに約23%、Bモラセスに約10%がそれぞれ残留している。

 

 

 

ウッタル・プラデーシュ州では、前年度からわずかに減少する見込み

 砂糖生産量国内第1位であるウッタル・プラデーシュ(UP)州の 2020/21年度におけるサトウキビ作付面積は、231万ヘクタール(前年度比0.6%減)とわずかな減少を見込んでいる。

 前年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大抑制のために都市封鎖を含む全国的な移動規制が実施されたことで、州内のグル/カンサリ(注)製造所が通常より早期に閉鎖され、同製造所に仕向けられる予定であったサトウキビが製糖工場に仕向けられたことで、製糖割合が高まり、50万トンの増産となった。しかし、2020/21年度においては、同製造所の操業が通常に戻り、搬入されるサトウキビの量も平年並みとなることが見込まれることから、サトウキビの製糖割合も平年並みに戻ると見込まれ、サトウキビの作付面積の減少を踏まえ、2020/21年度の砂糖生産量(エタノールの製造に仕向ける糖分も含んだ数値。以下同じ)は、1246万トン(同1.4%減)と、わずかに減少すると見込んでいる(図2)。

(注)農村部で零細家内工業的に製造されているインドの伝統的な砂糖。詳細は、『砂糖類・でん粉情報』2020年5月号「インドにおける砂糖の生産動向および余剰在庫解消への取り組み」(https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002197.html)を参照されたい。

マハラシュトラ州では、前年度から大幅増の見込み

 国内第2位のマハラシュトラ州では、2019年の雨季や2020年初頭の降水量がそれぞれ平年を上回ったことや、2019年に洪水被害を受けた5万ヘクタールのサトウキビほ場が回復することで、2020/21年度のサトウキビ作付面積は115万ヘクタール(前年度比47.9%増)と、大幅な増加を見込んでいる。同州では、新植面積の増加に加え、2020年の雨季における降水量が平年並みで、貯水量も十分に確保されているため、サトウキビの単収増加も見込まれ、同年度の砂糖生産量は、作付面積と単収の増加を受けて、1080万トン(同75.1%増)と、大幅に増加すると見込んでいる。

カルナータカ州では、前年度から大幅増の見込み

 国内第3位のカルナータカ州における2020/21年度のサトウキビ作付面積は、降雨に恵まれたことで50万ヘクタール(前年度比19.3%増)と、大幅な増加を見込んでいる。マハラシュトラ州と同様、2020年の雨季に平年並みの降雨があり、貯水量が十分であることから、サトウキビの生育が順調に進み、同年度の砂糖生産量は460万トン(同31.7%増)と、大幅に増加すると見込んでいる。

 

(国際調査グループ 塩原百合子)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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