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砂糖の製造法について

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最終更新日:2014年6月16日

はじめに

 砂糖は私たちの食生活に欠かせない調味料です。お菓子、清涼飲料をはじめ、パン、漬物、惣菜など、毎日の食卓に登場する食品に幅広く使われています。このように私たちにとって非常に身近な存在である砂糖ですが、工場における実際の製造法については、案外知られていない部分も多いようです。そこで今回は、砂糖の製造法について簡単にご紹介します。

日本における砂糖の製造

 砂糖の原料は、さとうきびとてん菜です。
 さとうきびは、生産地である鹿児島県および沖縄県の島々の工場で原料糖にされます。原料糖には、まだ不純物が多く含まれているため、船で消費地に近い工場に運ばれて精製され、グラニュー糖や上白糖などの精製糖となります。原料糖はタイやオーストラリアなどから輸入もされています。
てん菜は、生産地である北海道の工場でグラニュー糖や上白糖の形にまで精製されます。

精製糖の製造

ここでは、原料糖から精製糖を製造する工程をご紹介します。 
 (1)不純物を取り除く 原料糖の結晶表面の不純物を、洗って取り除きます。
 (2)温水に溶かす 表面をきれいにした原料糖を、温水に溶かし、糖液にします。(糖液は茶色です)
 (3)不純物を取り除く糖液に石灰を加え、炭酸ガスを吹き込み、不純物を沈殿させ、沈殿物をろ過し
   て取り除くと黄色い糖液が残ります。
 (4)無色透明な糖液をつくる 活性炭などで、もう一度、糖液中の残りの不純物を吸着させて取り除
   き無色透明の糖液にします。
 (5)砂糖の結晶を作る 糖液を濃縮し、真空状態で結晶ができるきっかけとなる少量の砂糖を加え、
   結晶を作り出します。
 (6)分離させる 洗濯機の脱水と同じ原理で、遠心分離機を使って結晶した砂糖を取り出します。
 (7)製品のできあがり ドライヤー、クーラーで乾燥・冷却して製品となります。
精製糖ができるまで

砂糖が白いのは?

 ご紹介したとおり、砂糖を精製する手法は、不純物を凝集・沈殿させてろ過したり、活性炭などに吸着させ取り除くものです。砂糖自体に漂白など化学的な処理を行って物性を変化させるものではありません。精製糖は、色素をはじめとした砂糖以外の成分を取り除き、純粋な砂糖の結晶だけを取り出したものなのです。

おわりに

 当機構では、砂糖について正しく理解していただくため、製造法を含め砂糖に関するいろいろな情報をホームページで提供しています。アドレスは下記のとおりですので、ぜひご利用ください。

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このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196