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【第一線から】国産たまねぎを使った通年加工に成功 〜株式会社グリーンズ北見〜

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最終更新日:2018年7月4日

地図

 単身世帯、共稼ぎ世帯の増加など、世帯構成の変化を背景に、食の外部化・簡便化が進んでおり、野菜の需要の約6割が調理食品や外食等の加工・業務用向けとなっています。
  加工・業務用野菜は、定時・定量・定価格での供給が求められ、輸入野菜が利用されることも多い中、たまねぎ生産量全国1位を誇る北海道北見市のグリーンズ北見は、加工・業務用たまねぎの通年安定供給を実現しています。
 

契約取引の採用で原料の安定調達

 グリーンズ北見は、オホーツク管内の10 のJAで生産されるたまねぎを利用し、冷凍カットたまねぎや、冷凍調理食品などを製造・販売しています。昭和62 年のグリーンズ北見設立当時は、生産量の1割程度の割合で発生していた規格外品を有効利用することが、同社設立の大きな目的の一つでした。
  品種改良や栽培技術の向上などにより、規格外品の発生が減少する中、ユーザーが求める安定供給と、生産者が求める手取りの増加を両立させるため、平成7年より原料調達方法に契約取引を採用、安定的な原料確保を実現し、現在、規格外品と契約取引の割合は3:7となっています。
 

美星牧場豚

夏期貯蔵の実現により加工を通年化

 たまねぎは貯蔵しやすい作物ですが、ユーザーからの通年供給の要望を満たすためには、たまねぎの供給がなくなる5月から8月上旬までの原料をどう確保するかが課題でした。
  この時期は気温の上昇による発芽・発根の発生を防ぐ必要があることから、冷蔵機能付きの保管倉庫が必要不可欠となります。
  取り組みを開始した20 年以上前には、夏期に保管などできるわけがないといった批判的な意見もありましたが、保管開始時期や保管中の温度管理等を工夫することによって、少しずつ保管期間を延ばし、平成10 年には夏までの長期保管に成功、オホーツク管内のたまねぎの通年加工・販売を実現しました。
  また、加工作業で最も人手を必要とするのは皮むき作業ですが、平成28 年に自動皮むき機を導入し、省力化を進め、人員不足を克服しています。
  こうした取り組みによって、グリーンズ北見はユーザーから高い評価を受けています。
 

1線1-4

トリミング

調理食品や外食ニーズにマッチした製品の販売

 売上げの多くは調味料、ドレッシング、カレー等の原料に利用される業務用冷凍カットたまねぎで、全国の食品メーカー、外食企業、総菜企業に販売されています。
  そのほか、具の7割にたまねぎを使用したコロッケ「たまコロ」などの小売向けの冷凍調理食品も販売しています。たまコロは、平成28 年10 月、全国のご当地コロッケを競う「第4回全国コロッケフェスティバル」において優勝を果たし、国産たまねぎの消費拡大につながるのみならず、たまねぎ生産地としての北見市の知名度アップにも寄与しています。
(野菜業務部)
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