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【レポート】韓国のパプリカの生産、流通および日本への輸出動向

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最終更新日:2019年5月8日

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 サラダや炒め物に彩りを添えるパプリカは、1食当たりの消費量は少ないですが、他の野菜などと比較してビタミンCなどの含有量が高く、健康的で栄養が豊富というイメージがあるため、人気の野菜です。
 日本で流通しているパプリカの約9割は輸入品であり、韓国産は、2017年の日本のパプリカ輸入量の8割弱を占めています(図1)。今回は韓国のパプリカ生産等について紹介します。
 

輸出用に生産をスタート

 韓国では、パプリカは「タンコチュ(色つきとうがらし)」とも呼ばれています。栽培の歴史は1994年からと浅いのですが、輸出を目的に栽培が開始され、政府の支援で大きな温室などの施設が広まっていきました。2000年代に入ると、韓国国内でも消費者に栄養の豊富さが理解され、国内向けのシェアも拡大しました。最近は、ICT(情報通信技術)を利用した「スマートファーム」と呼ばれる農場が増加し、さらなる生産性の向上が図られています。
 国内での消費の増加に伴い、生産量に占める輸出向けシェアは減少しましたが、日本への輸出量は右肩上がりで増加しており(表)、これら内外需要を背景に栽培面積および生産量は着実に拡大しています(図2)。
 

レポ1-2

ぐらふ

韓国の主産地

熱帯種

 韓国のパプリカの主産地は、南東部の慶尚南道(けいしょうなんどう)と、北東部の江原道(こうげんどう)で、この2地域で韓国全体の生産量の約6割を占めます(図3)。
 これらの地域でパプリカ生産を営む農家400戸の1戸当たり平均栽培面積は1.07haと、他の野菜と比較して大規模な経営が多いのが特徴です。
 

日本へは3日で運搬完了

 日本向けに輸出されるパプリカは、農家が収穫したその日のうちに主に港に運ばれ、夜行便の船で輸送されます。そして翌日の午前中に日本の港に陸揚げされ、午後には税関で輸入を許可され、貨物列車やトラックで日本各地のバイヤーの倉庫に運搬されます。このように、日本と距離の近い韓国からは、収穫して3日程度で日本のバイヤーの倉庫に届けることができます。
 

安全性と品質の確保のための取組

 韓国では、輸出先国の信頼確保などのため、トレーサビリティ機能を持った「輸出ID」を輸出会社に付与しています。輸出IDでは、農家名、生産地域、輸出会社などの情報を識別することができます。  また、韓国のパプリカ農家が輸出する場合、国の職員の農薬検査や、各輸出会社での農薬検査を受ける必要があります。これらの韓国における検査や日本の検疫所で食品検査基準値を超える農薬などが検出されると、日本への輸出ができなくなるため、農家は細心の注意を払い、日頃から農薬の管理や使用量・回数の徹底を図っています。

おわりに

 韓国でのパプリカ生産は、最新施設の導入などによる生産コストの削減で価格競争力を維持する努力や日本へのプロモーションなどを行っているため、日本への輸出は今後も安定的な成長が見込まれます。  日本の消費者にとって韓国産のパプリカは、もはやなくてはならないものとなっていますが、韓国の生産動向は日本のパプリカ農家にも影響を与えるため、今後の生産および輸出動向に注目が必要です。

パプリカ

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