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【農村研修体験記】〜肉用牛を中心とした複合経営農家での研修報告について〜

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最終更新日:2019年5月8日

 alicでは毎年度人材育成の一環として、生産現場での仕事などを通じて農畜産業の生きた知識を得るため若手職員を生産者のもとに派遣する農村派遣研修を実施しています。昨年栃木県の肉用牛を中心とした複合経営農家で研修させていただいたalic職員の研修報告書の一部を紹介します。

研修期間:平成30年10月1日〜10日(10日間)
研修場所:栃木県矢板(やいた)市 八木沢氏宅(肉用牛(繁殖経営※)と稲作などの複合経営農家)
※母牛を飼養し子牛生産を行う経営体 

研修先の概要と研修内容

レポ1-2

 研修先である八木沢家は昭和53年に現在の事業主である寛夫氏が雌牛1頭から経営を開始し、現在研修先の概要と研修内容は約80頭、牛舎3棟の規模に拡大している。この他、稲作(7ha)や自給飼料を生産する複合経営農家である。
 八木沢家は夫婦の他に雇用者1名と、長男の妻とで従事しており、数年後には長男に経営を引き継ぐ予定である。
 研修では、牛舎作業を中心に、子牛の出荷、牧草の刈取りや稲刈りなどの作業も経験させていただいた。

手塩にかけて牛を育成

 基本的な作業は餌(えさ)やり、水やり、清掃である。餌やりは、同一月齢の子牛であっても体格等によって餌の量を変えるなど、個体毎に管理しているため、日々の子牛の観察は欠かさずに行っていた。
 朝夕行う水やりは単に水桶に給水をするだけではなく、「牛飼いにとって最も重要なのは水の状態」という八木沢氏の言葉のとおり、頻繁に水桶を清掃して水の清潔を保ち、衛生面に気を配っていた。実際、水槽の清掃後に新たに水を入替えると、途端に水を飲み始める子牛もいた。さらに、牛舎を衛生的に保つために、10日毎に重機で「ボロ出し」と呼ばれるふん尿(後の堆肥)を畜舎外に出す作業を行い、続いて新しい籾殻(もみがら)を敷料として敷き詰める作業を行ったが、保存袋から手作業で牛舎全体に敷き詰めるのは想像以上に重労働であった。なお、これらの籾殻は稲作も行う八木沢家の自家産であり、複合経営ならではの生産体系であった。
 こういった牛舎環境を常に清潔に保つことが飼養牛の発育増進等や優良な子牛の生産・育成に繋がるため、日々の作業はどれにも気が抜けず、飼っている牛を手塩にかけて育成していると感じた。

熱帯種

子牛の出荷(矢板市場出荷)

 栃木県矢板家畜市場はJA全農とちぎが開設した市場であり、月1回(2日間開催)の市場には、県内のみならず全国の購買者(200人ほど)が参集する。八木沢牧場では、当該市場出荷前日、出荷予定の子牛の手入れ(ブラッシング、出荷用のロープに絞め替える作業など)を一頭一頭時間を惜しまず入念に行っていた。繁殖農家は、母牛から生産した子牛を販売して経営を成り立たせているため、出荷前は特に丁寧な手入れを行い、買参人に少しでも高く購入してもらうよう子牛の見栄えを良くする細やかな配慮をしている。

 訪問した10月2日は、341頭の黒毛和種の子牛が上場していた。八木沢氏は自家子牛のセリを待つ時間も、係留場で入念にブラッシングを行っていた。待ち時間にはセリ場も見学し、血統や性別によって取引価格に大きな差が見られた。八木沢氏が出荷した4頭は全て希望価格以上の価格で取引成立となり、満足のいく一日となった。

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おわりに

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 今回、農村派遣研修として生産現場を体験させていただいたが、八木沢氏宅に滞在し、家族経営体というものを知ることができたのは大きな財産となった。家族全員一丸となって農業に取り組んでいる姿勢に感銘を受け、「家族経営」の絆の深さを感じた。

 昨今の子牛価格は比較的高水準にあるものの、これまで重ねてきた苦労や1頭を生産する過程を考えると、畜産経営の厳しい実情に常に先行きの不安を抱えながらの経営であることを肌で感じた。これら生産の現場を経験したことでalic職員として、これまで以上に現場のことを考えながら業務に取り組んでいきたいという思いが強くなった。

 最後になりましたが、お忙しい中、快く研修を受け入れてくださった八木沢様ご一家をはじめ、研修にお力添えいただいた全ての皆様に厚く御礼申し上げます。

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このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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