消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 広報誌 > 【alicから】毎日の食卓に国産の乳製品が届くように〜加工原料乳生産者補給金制度〜酪農乳業部生乳課

【alicから】毎日の食卓に国産の乳製品が届くように〜加工原料乳生産者補給金制度〜酪農乳業部生乳課

印刷ページ

最終更新日:2020年11月4日

助成業務課(左から)室田、今岡(Licensed by TOKYO TOWER)

 alicでは畜産物、野菜、砂糖・でん粉のそれぞれの分野を所管していますが、このページでは、よりalicを知っていただくために、1つの部署にスポットをあて、担当業務の内容やその舞台裏などについて、若手職員に聞きました。

Q.加工原料乳とは何ですか。

動き2

A.牛から搾ったままの殺菌されていない乳のことを「生乳(せいにゅう)」といい、これらは牛乳だけでなく、バターや生クリーム、チーズなどのさまざまな乳製品の原料となります。こうしたバターや生クリーム、チーズなどの乳製品に仕向けられる生乳を「加工原料乳」といいます。 
 牛乳向けと区別をするのは、酪農家に支払われる生乳の価格は用途によって異なるからです。一般的に、牛乳向けの生乳の価格は高く、乳製品向け、いわゆる加工原料乳は低く設定されています。 

Q.同じ品質の生乳を生産しても取引価格に差があるのはなぜですか。

さつまいも

A.牛乳は賞味期限が短く、保存も利かないことから、乳製品向けよりも優先して生乳の供給が行われ、新鮮さが売りで価格も高く取引されています。一方、加工原料乳はその用途である乳製品の保存が利くことから、牛乳向けより低い価格で取引されています。 
 ですが、牛乳向けも乳製品向けも原料の生乳は全く同じ品質です。にもかかわらず、用途によって価格差がある理由は、保存性以外に、私たちの生活のもっと身近なところにあります。 
 手作りバターやチーズに挑戦したことのある方は、出来上りが意外に少量だと感じた経験はありませんか?まさに1kgのバターには生乳が26L、同じくチーズは10Lと、乳製品には多くの生乳が必要です。これらにも牛乳と同じ高品質の生乳が使われているわけですから、通常で考えれば、原料にコストがかかる乳製品の販売価格は、大変高くなってしまいます。そこで、加工原料乳の取引価格を低くすることで原料コストを抑え、乳製品を購入しやすい価格にしています。 

Q.取引価格の低い加工原料乳は生産者にとって収益悪化になるのでは?

A.価格が高いからといって生乳を牛乳用にばかり仕向けると、国産の乳製品が生産されなくなってしまいます。特に最近は国産チーズの人気も高まっていますから、そういった需要を満たすことも重要です。また、牛乳の消費は季節によって変動し、乳牛は暑さに弱いため夏は生乳生産量が減るなど、1年を通して需給も一定ではありません。それに、生乳は毎日生産されるので、牛乳の消費が少ない季節には、保存が利く乳製品がたくさん生産されます。つまり、加工原料乳が一種の調整弁の役割を果たしています。
 そこでalicでは、取引価格が低く、需給変動の影響を大きく受ける加工原料乳に対し、生産コストを賄えるよう補給金を交付して、生産者の経営安定や再生産を確保しています。これにより、生産者は安心して酪農経営を続けられ、私たちの元にも国産の牛乳や乳製品が安定的に届けられるのです。

動き6

ぶた

ぶた

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196