消費者コーナー 「食」の安全・安心や食育に関する情報、料理レシピなど

ホーム > 消費者コーナー > 広報誌 > 【まめ知識】砂糖を使った漬物〜糖しぼり大根を作ろう〜

【まめ知識】砂糖を使った漬物〜糖しぼり大根を作ろう〜

印刷ページ

最終更新日:2021年1月6日

砂糖は食品の保存性を高める

砂糖は基本的な調味料として私たちの生活に欠かせないものです。砂糖は甘みを加えるだけでなく、その調理特性から料理の食感や風味、仕上がりの美しさなどを演出し、食生活をより豊かなものにしてくれます。 
 砂糖の特性の中でもよく知られているものの一つに、食品の保存性を高める働きがあります。では、なぜ砂糖を使うと保存性が高まるのでしょうか? 

 その理由の一つは、浸透圧です。図のように、高濃度のショ糖溶液と低濃度のショ糖溶液を二つの部屋に入れて、その間を水だけが通れる穴のある壁で仕切ると、左右の部屋が同じ濃度になるよう、低濃度の溶液から高濃度の溶液へ水だけが移動します。この水が移動する力のことを「浸透圧」といいます。微生物などの生物の細胞の膜は、この水だけが通れる壁と似ているため、高濃度のショ糖溶液に接すると浸透圧が高まり、細胞内から水が外へ出ていくことから繁殖が抑制され、食品が腐りにくくなります。 

 この浸透圧を利用して作られる代表的なものが漬物です。漬物は一般的に塩の浸透圧によって野菜から水分を抜き、保存性を高めていますが、塩と同様に砂糖の浸透圧を利用して、漬物を作ることもできます。今回は、この砂糖の脱水作用を利用して作られることで有名な「糖しぼり大根」の、ご家庭で簡単にできる作り方をご紹介します。

いろいろ1

キャンディ

糖しぼり大根の作り方

(材料)
 大根・・500g(約1/2本)
 砂糖・・100g
  塩・・大さじ1
  酢・・大さじ2

(1)大根は皮をむいて縦半分に切る(写真2)。

(2)ポリ袋に砂糖、塩、酢を入れて混ぜ合わせたら、大根を入れてなじませる(写真3)。
(3)ポリ袋を密閉して、冷蔵庫で2日程度漬けこむ。
 
 大根がしんなりしたら食べ頃です(写真4)。
 
優しい甘みが後をひく、砂糖が主役のお漬物です(写真5)。
 お好みで鷹の爪やゆずの皮を入れて漬け込んでも美味しく召し上がれます。


(参考文献)砂糖の事典(日高秀昌・岸原士郎・斎藤祥治)

糖しぼり大根

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196