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【REPORT】オーストラリアの有機農畜産物の販売状況

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最終更新日:2022年9月5日

 「オーガニック大国」とも呼ばれるオーストラリアでは、街中の小売店や市場などで有機農畜産物を多く見かけます(写真1、2)。事実、同国の有機産業の市場規模は、年間20億豪ドル(1924億円:1豪ドル=96.20円(注))を超え、その成長率は年率7.9%とされています。
 調査機関による2020年の調査では、同国の8割の消費者が過去1年間に何かしらの有機農畜産物を購入したと回答しているほか、1割強の世帯で食費の5割以上を有機農畜産物に費やしているとしています。
 今回は、同国の有機農畜産物の認証機関や販売状況について紹介します(写真は2022年5〜7月に同国内の小売店などで撮影)。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年7月末TTS相場。

写真1 小売店内の有機農畜産物コーナー
写真1 小売店内の有機農畜産物コーナー

写真2 主に有機農畜産物を取扱う小売店
写真2 主に有機農畜産物を取扱う小売店

1.認証機関

 オーストラリアにおける有機農畜産物は、合成化学物質や肥料、遺伝子組み換え作物などを使用せずに栽培、加工されているものを指しますが、日本と違い、認証機関による認証を得なくても、「有機(オーガニック)」という名称を使用できます。しかし、有機認証マークは、その商品が特定の認証機関によって保証されたものであることを確認できるため、消費者の4割弱が認証マークのない商品の購入を避けるという調査結果もあります。
 現在同国には、国の認可を受けた認証機関が6つあります。最も古くから認証を行っている機関はDEMで、1967年から認証を開始しています(表)。

表 オーストラリアの有機農畜産物認証機関

2.販売状況

 有機農畜産物は、種類やブランドによって異なりますが、一般商品との価格差が約1.5〜3倍となっています(例:牛ひき肉→1.5倍、牛乳→1.6倍、鶏卵→2倍、にんじん→3倍)。
 大手小売店の多くは、有機農畜産物専用のコーナーを設けています。また、主に有機農畜産物を取り扱う小売業者もあります。このほか、週末など曜日限定で開催される街の市場でも、有機農畜産物を販売するテントを多く見かけます。
 各商品のパッケージには認証マークを確認することができます(写真3)。
 認証マークによっては、特定の番号が記載されていますが、これは認証を受けた事業者ごとに割り振られたものです(写真4)。2020年時点で、1748の生産者、1600の加工業者、885のその他サプライチェーン関連業者の合計4233の事業者が認証を受けています。

写真3 製品に貼り付けられた認証マーク
写真3 製品に貼り付けられた認証マーク

写真4 認証を受けた業者番号
写真4 認証を受けた業者番号

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196