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【第一線から】日本一の酪農地帯を支えるプロ集団〜(株)ASAHIサポートセンターを訪ねて〜

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最終更新日:2020年1月8日

 酪農は生き物を扱う仕事のため、朝夕2回の搾乳(さくにゅう)や給餌(きゅうじ)など365日作業が欠かせません。そのため、酪農家が休日を取ったり、行事などのために作業ができなかったりする際に、酪農家からの依頼を受け、酪農ヘルパーの方々が代わって作業を行います。
 今回紹介する株式会社ASAHIサポートセンターは、日本一の酪農地帯である北海道の別海、西春別、根室地域に所在するJA道東あさひの酪農家約400戸を対象に、会社組織として酪農ヘルパーの出役(しゅつえき)(※1)を行っています。

(※1) 依頼された酪農家で搾乳などの作業を行うこと。

(株)ASAHIサポートセンターの皆さん
(株)ASAHIサポートセンターの皆さん

酪農ヘルパー利用組合の統合

地図

 根室管内にあるJA道東あさひは、2009年4月に4つのJAが統合し設立されました。一方で、各JAの管内に存在した酪農ヘルパー利用組合(※2)は、雇用条件の違いなどからJAの統合後も個々に運営されていました。
 また、これら利用組合の一部では、酪農ヘルパーの人材確保が難しく、酪農家の要望に十分に対応できないことが多くなっていました。そのため、酪農家から「農家が必要とする時に対応できるヘルパー体制にしてほしい」などの声が多く寄せられたことを受けて、人材を十分に確保しつつ、酪農ヘルパー業務を充実させるべく、2017年6月にJA道東あさひ管内の利用組合の業務を統合し、株式会社の形態でASAHIサポートセンターが設立されました。

(※2) 酪農ヘルパーを出役させる業務を行う団体。
 

魅力を感じる職場環境の整備

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 同社では人材確保のため、酪農ヘルパーが魅力的な職業と感じることができるよう職場環境や待遇の改善に最優先で取り組んでいます。正社員として定年まで働くことができるのはもちろん、給与面でもJA職員と同等以上の水準としています。それに加えて、遠方から就職する人のために、家賃補助と合わせて同社が所有するアパートに割安で居住できる制度を設けています。これらの取組みもあり、設立後は毎年5名以上を採用しており、現在では、常勤の酪農ヘルパー21名を抱える日本有数の規模の組織となっています。
 
 

未経験者でも安心な充実した研修制度

 同社に就職する人の中には、未経験者も多くいます。このため同社では、就職後約2ヵ月間にわたり、搾乳や給餌などの酪農作業の基本を学ぶ研修を行います。その後、約1ヵ月間にわたって先輩の出役に同行する実践的な研修を行っています。これにより、未経験者も安心して就職できるだけでなく、酪農家の側でも、安心して搾乳などの作業を依頼することができます。
 また、現在、普及しつつある搾乳ロボットなどの最新機械の使用方法についても研修を行うなど、スキルアップを図るための取組みにも力を入れています。
 さらに、酪農ヘルパーを目指す若者のインターンシップを随時受け入れており、これまでに50名以上が参加しています。
 

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酪農ヘルパーからの新規就農を後押し

 同社は、酪農ヘルパーが新規就農などを希望する場合には、JA道東あさひと連携して後押しする制度も用意しています。すでに、数年後の新規就農を目指し、酪農ヘルパーとして働いている方もいます。そのほかにも、家畜人工授精師や営農相談員などに推薦する制度を設けています。これらは、酪農ヘルパーとして同地域で就職した若者が、基幹産業である酪農を支える人材としてさまざまな形で地域に根付いていくことを促しています。
 

酪農ヘルパーのさらなる認知度向上に向けて

 酪農ヘルパーは、酪農が盛んな地域では酪農家をサポートする仕事として広く認知されていますが、全国的にはまだ職業としての認知度が高くなく、全国の酪農ヘルパーの利用組合も、人材確保が十分とはいえないのが現状です。こうした中で、alicでは酪農ヘルパーの職業としての認知度の向上や人材の確保・育成などに係る取組みについて、酪農経営支援総合対策事業(酪農経営安定化支援ヘルパー事業)により支援しています。同社も、酪農ヘルパーのさらなる増員に向けて、これからも魅力的な職場環境づくりを推進していくとのことです。
(酪農乳業部酪農振興課)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196