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【レポート】「Natural Beef」(ナチュラルビーフ)を売りにするウルグアイ産牛肉の生産と対日輸出見通し

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最終更新日:2020年1月8日

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 ウルグアイはブラジルとアルゼンチンに挟まれた大西洋に面した南米の温帯気候の国です。国土面積は日本の約半分ですが、牛の飼養頭数は日本の約4.5倍で、牛肉生産量は約1.8倍です。牛肉生産量のうち8割以上を輸出していますが、日本への輸出は口蹄疫発生後の2000年10月以降禁止されていました。
 
 2019年2月に至り、農林水産省は、ウルグアイの16カ所の牛肉輸出施設を対日輸出施設として認定し、これら施設で処理されたウルグアイ産牛肉の対日輸出が再開されることになりました。
 以降、同年10月までにウルグアイから冷蔵牛肉約725t、冷凍牛肉約154tが日本に輸入されました。一部のレストランチェーンでは、新メニューとして同国産のサーロインステーキなどが提供されています。

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 ウルグアイ産牛肉の生産過程における主な特徴としては、以下の2点が挙げられます。
〇「NaturalBeef」
 ウルグアイで生産される牛肉の多くは「Natural Beef」と形容され、輸出におけるプロモーションのキーワードとしても使用されています。ウルグアイ食肉協会(INAC)によると、「Natural Beef」の定義は、(1)畜産副産物不使用(飼料に内臓肉などの畜産副産物を混ぜない)、(2)成長ホルモン不使用、(3)牧草肥育、であるとされています。特に(3)については、同国の出荷頭数に占める牧草肥育牛の割合は85%に上り、「自然に近い形で飼養された赤身肉」をセールスポイントとしています。
〇トレーサビリティシステム
 ウルグアイでは、2006年7月に制定されたトレーサビリティ法の下、全ての牛を対象として履歴が確認できるシステムが整備されています。この制度では、政府が無料で配布する個体番号が記録された耳標とICタグにより、出生時期やと畜までの移動履歴などの情報を把握することが可能です。同国では輸出国に対し、信頼性の高いトレーサビリティシステムであるとして、この制度を積極的にアピールしています。
 

熱帯種

 こうした中で、2019年の牛肉輸出量は減少すると見込まれています(図)。これは、トルコが2018年初めに生体牛輸入の関税を撤廃し、ウルグアイからも多くの生体牛がトルコに輸出されたことが背景にあります。この結果、国内でと畜に回る生体牛の数、すなわち牛肉生産量が減少することとなりました。また、競合するアルゼンチンやブラジルの通貨安による価格競争力の低下などもあり、輸出量は前年比5・6%減の44万t(枝肉重量ベース)となる見込みです。
 牛肉産業が抱える課題として、同国は南米の中では小国であり、利用できる土地にも限界があることから、大幅な増産が難しいという点があります。既に牛肉生産量の8割以上が輸出に仕向けられている現状も踏まえると、今後の輸出量については大幅な増加は想定しにくいと考えられます。
 対日輸出に関しては、品質面で競合するとされる豪州産と比較すると価格面ではあまり差異がないとの声が多く聞かれますが、供給量の面では圧倒的な差があります。そうした環境下で、同国の関係者はウルグアイ産牛肉が対日輸出で狙うのは、小規模であってもNatural Beefであることやトレーサビリティシステムによる信頼性の裏付けを求める、特定の販路・ニーズであるとしています。
 

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