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【第一線から】一歩先を見据えた養豚業を〜有限会社池上ファーム〜

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最終更新日:2021年3月3日

池上代表取締役(左)とスタッフ。大木町の農場はスタッフ全員が女性。
池上代表取締役(左)とスタッフ。大木町の農場はスタッフ全員が女性。

久米島で肉用子牛を生産する高良さん

 (有)池上ファームは、約60年前に池上畜産種豚場として開業し、現在は、母豚230頭、肥育豚約1200頭規模の一貫経営(注1)を行っています。農場は、子豚の繁殖部門がある福岡県大木町と肥育部門がある佐賀県太良町に分かれており、それぞれ3名と2名のスタッフで運営しています。 
 池上ファームは、長年、生協と産直農場として契約し、水と飼料にこだわった銘柄豚「名水豚」を生産してきました。「名水豚」は、歯切れが良く、さっぱりとした味わいが特徴で、昨年から香港への輸出も開始しました。 
 池上ファームは、農場のキャパシティの面からこれ以上の増頭はせず、数年前からブランディングを基盤とした付加価値の追求をテーマに、時代のニーズに合わせた多様な取組に挑戦しています。 
 
(注1)繁殖雌豚から子豚を生産し、その後の肥育を経て、出荷するまでを一貫して行う経営。 

次の時代を見据えた多様な取組

美幌製糖所

 現在、池上ファームでは、生産した「名水豚」を利用した生ハムなどの加工品及び化粧品用プラセンタ(胎盤)の出荷、その他にも販売先のレストランのニーズに合わせた飼育など幅広く取り組んでいます。加工品については、近年盛り上がりを見せるふるさと納税の返礼品に採用されたことにより、新たな販路が開拓されたほか大木町の道の駅でも販売が開始されました。代表取締役の池上さんは、今後は、自社の通販サイトを開設し、さまざまな商品をより多くの方へ届けたいと考えています。 
 池上ファームは、両農場とも農場HACCP推進農場(注2)に指定されています。指定された直後は、社内や取引先などの理解を得るのに苦労したそうですが、家畜保健衛生所の職員との情報交換の機会が増えたことや昨年改正された「飼養衛生管理基準」にすぐに対応できたことなどのメリットがあったとのことです。今後も、農場HACCPの取得などで「目に見える安心安全」を実現し、商品の付加価値を高めていきたいと池上さんは考えています。 
 
(注2)「農場HACCP認証農場」取得への取組を支援するため、飼養衛生管理等の向上を目的として、農場HACCPに取り組み、一定の要件を満たす畜産農場のこと。なお、農場HACCPとは、家畜の所有者自らが有害物質の残留等の危害や生産物の温度管理等の重要管理点を設定し、継続的に記録・管理を行うことにより、生産農場段階での危害要因をコントロールする飼養衛生管理のこと。

地域に貢献するエコな取組

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 繁殖農場のある大木町は環境に対する意識が高く、エコタウンとして知られています。池上ファームの大木町の農場では、農場で出たふん尿をたい肥として自社の飼料用米栽培に利用し、収穫した飼料用米は、豚に給与するという循環的な取組を行っています。その他にも農場周辺の植樹など、環境に配慮した活動が認められ、大木町の農場は一昨年4月に福岡県の「エコファーム」に登録されました。さらに、昨年10月には、自家消費型営農スタイルを目指して、汚水処理施設の電力を賄うための太陽光発電設備を導入しました。 
 飼料用米の栽培に利用されている池上ファームのたい肥「万能堆肥」は、平成28年に開催された福岡県主催の「ふくおか良質たい肥コンクール」で金賞を受賞しました。コンクールでは、水分量や臭気などの成分項目だけではなく、作物の発育評価でも高評価を得ました。池上さんは、たい肥を作る際、撹拌をしっかり行い、たい肥全体に空気を送ることがポイントだと考えています。金賞受賞後、講演会や口コミを通じて評判が広まり、現在では、地域のアスパラ農家、イチゴ農家、ミカン農家などに利用されています。近年、農家の高齢化が進み、体力的にも技術的にもたい肥の利用が難しくなっているため、たい肥を通じて畜産農家と耕種農家をつなぐ重要さを感じているとのことです。

働きやすい職場環境に

 池上ファームは、子育て中の方にも就農する機会を提供したいという思いから、「福岡県の子育て応援宣言企業・事業所」に登録しています。これによって従業員の子連れ出勤や学校行事参加のための勤務時間の調整を可能にしました。畜産業の人手不足解消のためにも、働きやすい職場環境を確保する取組がさらに広がることが期待されます。
 また、池上ファームでは、このような取組の他に作業の省力化や加工品の製造業務の外部委託を行うことで少人数でも無理なく経営できるよう工夫しています。

池上ファームが目指すもの

 池上さんは、近年、重視されている環境負荷の軽減やアニマルウェルフェアの観点から、今後は、持続可能な農業を目標とし、これに係る取組の継続・拡大を図っていきたいと考えています。
 これからも池上ファームの挑戦は続きます。
(畜産振興部畜産生産課)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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