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【alicセミナー】EUの「Farm to Fork(農場から食卓まで)」戦略について〜2030年に向けて、持続可能性(サステナビリティ)を最優先課題とするEU農業・食品部門〜

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最終更新日:2021年3月3日

 alicでは、業務を通じて得られた情報や、これらに関連する様々な情報を広く国民の方々に知っていただけるよう社会的発信の充実に取り組んでおり、その一環として「alicセミナー」を開催しています。
 近年、2030年までの国際社会共通の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組が農政の推進上も重要となっているところです。
 そこで、令和2年12月14日(月)のalicセミナーでは、「EUの「Farm to Fork(農場から食卓まで)」戦略について〜2030年に向けて、持続可能性(サステナビリティ)を最優先課題とするEU農業・食品部門〜」と題し、JETROブリュッセル事務所の大内田一弘氏よりオンラインによる講演をいただきましたので、その概要を紹介します。

alicセミナーグラフ

 EUでは環境や気候変動、健康志向への意識が高まり、より自然なものを求める傾向が強まっています。そのような中、EUは持続可能な社会への移行を目指し、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出を実質ゼロにすることを目標とする欧州グリーンディール政策を、最優先かつ新たな成長戦略として発表しました。そして、同政策の中心をなすものとして、農業・食品部門を対象として「Farm to Fork(農場から食卓まで。以下F2F。)」戦略が打ち出されました。
 F2Fには「環境」対策などとして、2030年までに化学合成農薬使用量・リスク50%削減、肥料使用量20%以上削減、抗菌性物質販売量50%削減、有機農地をEU全農地の25%以上に拡大する等の野心的な数値?標があります。その背景には、環境への積極的な対応とともに、EUの持続可能な食料システムを国際基準にするという目的もあります。つまり、「社会」的要求に応えつつ、「経済」面でも効果を発揮する、世界市場における持続可能性に関する主導権の確立も目指しているのです。

セミナー

ソウル市内の量販店でのパプリカ

 その実現には農業・食品部門とのバランスが課題です。持続可能な食料生産、加工と流通、消費、食品ロス・廃棄の削減、食品偽装との戦いなど、産官学あらゆる食品バリューチェーンの関係するすべての者による集合的アプローチがF2Fには不可欠です。しかし、農業部門には、F2Fの方向性には一定の理解を示すものの、生産者に課される環境面の要件増加などを考えれば、抵抗感を示す反応は少なくありません。関係者からは、影響評価を求める声もあります。
 一方で、F2F戦略のニーズに応えるために、既に動き出している企業や加盟国もあります。例えば、食品企業による再生可能な容器の採用や、食肉代替製品の市場拡大への取組、再生可能エネルギーでの自社電力の100%調達などが見られます。また、加盟国のフランスでは、植物性タンパク質の増産戦略や、リスクが高いとされる一部の農薬の使用を中止する生産者に対する減税措置を行っています。さらに欧州議会でも、植物性由来製品に「バーガー」「ソーセージ」といった名称の使用を禁止する法案が否決され、「べジバーガー」などの名称使用が容認されました。
 そのような中、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)により、F2F戦略は一時的に停滞しましたが、逆に、COVID−19が健康意識や地産地消を進展させる追い風にもなっています。消費者の食と農への関心はさらに高まっており、F2F戦略を加速化させる可能性もあります。
 温室効果ガス排出量の55%削減を目指し、その一つの区切りとしている2030年に、どのような結果が出ているか、また、食と農の形がどのようになっているか、今後の進展にも関心が高まります。
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このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196



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