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【業務関連情報】乳製品輸入・売渡業務のご紹介

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最終更新日:2021年8月4日

 牛から搾ったままの乳を生乳といいますが、生乳を殺菌処理した牛乳は賞味期限が短い一方で、生乳を加工して作られるバターや脱脂粉乳は保存が利くため、日本国内では牛乳の消費が減るとこれらの乳製品の生産を増やすことにより、生乳の需給を調整しています。
 日本の生乳生産量は、担い手の高齢化や後継者不足などを背景とした酪農家戸数の減少に伴い、減少傾向で推移していたため、バターや脱脂粉乳などに仕向けられる生乳(加工原料乳)も不足傾向にありました。しかし、2017年度以降は北海道を中心に生乳生産量が増加に転じ、2020年には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、外食や菓子向けなど業務用乳製品に対する需要が大幅に減少したことから、現在はバターや脱脂粉乳の在庫量が増加しているところです。
 このように、生乳の需給は変動しやすく、また、冷夏や猛暑などの天候によっても左右されます。alicは、こうした需給の動向に応じた乳製品の輸入・売渡業務を通じて、皆様の食生活を支える重要な品目であるバターや脱脂粉乳などの需給の安定が図られるよう努めています。
図

乳製品の輸入・売渡業務とは?

 alicは、安価な乳製品の無秩序な輸入によって国産乳製品の生産や需給に悪影響が及ばないよう、世界貿易機関(WTO)協定に定められたルールのもと、バターや脱脂粉乳などの乳製品の輸入および売渡しを行っています。その品目、数量や時期などについては、毎年1月に農林水産省が公表する年間の輸入枠数量に基づき、国内の需給動向などを注視しながら決定しています。
 この場合の輸入者(乳製品取扱商社)と売渡先(乳業メーカーなどの需要者)は、入札によって決定されます。輸入方式には、「一般方式」と「SBS方式」の二つがあり、現在は、需要者が求める品質・規格のものを輸入できる「SBS方式」が主流となっています。
 この輸入・売渡しの際に生じる売買差額(マークアップ)については、加工原料乳を生産する酪農家に生産者補給金として交付するなど、日本の酪農経営の支援に充てられています。
 輸入したバターや脱脂粉乳などは業務用が中心であり、乳業メーカーなどに売り渡した後は、パン、ケーキ、アイスクリームおよびヨーグルトなどの原料として使用されています。
バター

輸入乳製品の安全性

 alicは、輸入時に、食品衛生法に基づく検査だけでなく、独自の基準による検査も行っており、その検査項目は残留農薬、細菌数、乳脂肪分、水分量など多岐にわたります。
 また、輸入後売り渡すまでの保管についても、独自の基準を設定しており、これらの安全基準を満たした乳製品が国内に流通されるようにしています。

令和3年度の輸入数量

牛
 alicは、国際約束(カレント・アクセス)に基づき、毎年度、生乳換算で約13万7千トンに相当する乳製品を輸入しています。また、国内でバターや脱脂粉乳の供給が不足すると見込まれる場合には、カレント・アクセスに加えて追加輸入を行い、乳製品の安定供給の確保に努めています。令和3年度は、バター・脱脂粉乳ともに国内の在庫が十分にあるため、カレント・アクセス相当量のみを輸入する予定です。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196