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牛乳の消費動向について

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最終更新日:2014年7月2日

畜産需給部

牛乳は、多くの家庭の冷蔵庫で常備されている重要な食料品のひとつです。
今回は、多くの消費者に馴染みの深い牛乳について、最近の消費動向や栄養価などについて紹介します。

牛乳消費量は96年をピークに減少傾向で推移

わが国の牛乳消費量は、国民の所得向上とともに1990年代まで増加の一途をたどり、日本人の体位向上や体力強化に大きな役割を果たしてきました。
その間、人口の増加や食の西洋化に加え、学校給食用牛乳供給事業の整備、冷蔵品の輸送技術の向上な
どにより、牛乳の消費を押し上げ、1966年の201万キロリットルから1996年には505万キロリットル
と30年間で約2.5倍に増加しました。
しかしながら、近年の牛乳消費量は、1996年をピークに、一転して減少傾向で推移し、2013年にはピーク時に比べ3割減少の350万キロリットルと、17年間で150万キロリットル減少しました(図1)。

このような牛乳消費の減少の原因として、わが国の人口が減少局面に入ったことや少子高齢化に加え、牛乳を含めた飲料市場が多様化したことにより、他の飲料との競合が激しくなったことなどが挙げられています。
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牛乳は良質なたんぱく質やカルシウムを含む栄養価の高い食品

牛乳は、カルシウムをはじめ各種栄養素がバランスよく含まれる食品として、重要な位置を占めています。たんぱく質、炭水化物、脂質の三大栄養素を含むほか、日本人の食生活で不足しがちなカルシウム
やビタミンA、ビタミンB2などを豊富に含んでいます。牛乳を1日にコップ1杯(200ml)を飲むことにより、成人女性が必要とする主要な栄養素を摂取することが可能です。
例えば、カルシウムについては1日の必要量に対する牛乳の充足率は35%、ビタミンA、ビタミンB2は
25%と高い割合で摂取できます。
また、カルシウムは消化吸収されにくい栄養素ですが、牛乳に含まれるカルシウムは、小魚や野菜に比べ吸収率が高いことが知られています。
また、牛乳中のたんぱく質は、200ml当たり6.8g含まれており、1日の必要量の14%を摂取することができます。牛乳に含まれるたんぱく質は、人間の体内で合成することができない必須アミノ酸を多く含有しているほか、免疫力を高めるラクトフェリンなども含んでおり、たいへん良質なものとされています。

牛乳消費量は欧米諸国と比べると3分の1以下

わが国の牛乳類消費量を他の先進諸国と比較すると、まだまだ低い水準にあります。
2012年における牛乳類の1人当たりの年間消費量を見ると、わが国は31.6kgであるのに対し、最も消費量の多い国の1つであるフィンランドでは約4倍強の132.4kg、イギリスでは約3倍強の106.2kg、アメリカでは約2.5倍の76.4kgとなっており、韓国も34.5kgとわが国を上回っています(図2)。

西欧諸国における食生活の中で牛乳・乳製品は最も重要な食料品のひとつであり、長い歴史と伝統の中、家庭料理や朝食でのシリアルに、また、コーヒー・紅茶を飲む時など、あらゆる食の場面で牛乳は利用されています。
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和食に牛乳は合わないのか?

これまで学校給食のメニューで不可欠とされてきた牛乳に、最近、異変が生じています。
ある地方公共団体(市)では、今年の12月から来年3月まで市内の小学校及び中学校の全校の給食において、牛乳の供給を試験的に一時停止すると発表しました。
理由は、望ましい食習慣の定着を目指すため、ご飯を主食とした和食メニューが多い関係から、「和食と牛乳の組み合わせは合わない」という声が関係者や保護者から上がっている点などを挙げています。この地方自治体では、牛乳の供給を停止することによる児童・生徒のカルシウムをはじめたんぱく質などの不足分を、ごはんやおかずの量を増やしたり、カルシウムの多い食材の利用を増やすことを検討しています。

一方、全国の管理栄養士など約5万人の会員を擁する公益社団法人日本栄養士会は、この地方公共団体の取り組みに対して声明を発表しています。
この声明の中で、日本栄養士会は、「児童・生徒に一層のカルシウム不足を招く恐れがあること」や、「学校給食での牛乳の飲用と伝統的な食文化の理解を深めることは矛盾しないこと」、などを指摘し、同市の取り組みに対して、疑問を投げかけています。
また、栄養教諭・学校栄養職員を会員とする公益社団法人全国学校栄養士協議会でも、意見書を発
表しています。この意見書の中で、同協議会は「給食における牛乳の役割は非常に大きいものであること」、「食育で牛乳を活用する意義は大きく、教育的観点から見て大きな可能性がある点」を指摘した
上で、「学校給食から一定期間牛乳を中止する試みについては、児童・生徒の成長、食習慣、食文化
の観点から冷静な判断が行われるべき」との意見が出されています。

学校給食の牛乳供給に関しては、これまでも国及び機構で支援を行い、児童及び生徒の体位、体力の向上などに大きな役割を果たしてきました。今回の議論を契機として、児童・生徒の栄養の確保と健康の増進に牛乳摂取が重要な役割を果たしていることへの理解が改めて深まることが期待されます。
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