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鶏肉が食肉消費の主役に

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最終更新日:2017年12月28日

 酉年の平成29年がスタートしてから9カ月が過ぎました。年初は酉年にちなみ、鶏肉関連の新商品が相次いで発売されました。今回は、わが国にとって欠かせない食肉である鶏肉の消費動向と特徴について紹介します。

牛肉・豚肉を上回る消費量

 日本人の食生活は欧米化が進み、食肉を多く消費するようになりました。昭和35年には1人当たりの食肉(牛肉・豚肉・鶏肉)消費量はわずか3kgでしたが、平成28年には10倍の31.4kgとなりました。 
 その中でも、近年、特に増加しているのが鶏肉です。鶏肉は、牛肉や豚肉と比べて安価で、ヘルシーなイメージがあるため、消費者の低価格・健康志向により人気が高まっています。平成24年には、長年不動の1位であった豚肉を抜き、鶏肉はそれ以降、日本で最も消費量の多い食肉となっています(図1)。
図1 年間1人当たりの食肉消費量の推移

業務用、外食用が5割以上

 食肉の消費構成を見ると、牛肉は焼肉や牛丼など、鶏肉はフライドチキンや焼鳥など、外食における消費が多いことから、その他(業務用、外食等)の割合が高い一方で、豚肉は家計消費の割合が高い傾向があります(図2)。
 なお、鶏肉は消費者の国産志向が強いことに加え、牛肉や豚肉に比べて国産の供給力(自給率)が高いことから、家計消費(食肉店や量販店などで販売される精肉の消費量)の大半を国産が占めています。また、加工仕向(食肉加工工場で加工されたもの)の例としては、サラダチキンやチキンナゲットなどが挙げられ、主にむね肉が利用されています。
図2 食肉の消費構成

日本人のもも肉嗜好

 国産鶏肉の小売価格(全国)では、もも肉はむね肉よりも高値(平成28年度平均は100グラム当たりもも肉140円・むね肉90円)で推移しています。海外ではむね肉価格の方が高いことが多いのですが、日本人は脂身が多くジューシーなもも肉を好むことがこうした背景にあります。
 ただし、最近ではむね肉のヘルシーさをテレビや雑誌でレシピと一緒に紹介されることが多く、むね肉の需要も高まっています。
 消費者の低価格・健康志向は続くとみられることから、今後も鶏肉消費は好調に推移するものと予想されます。
 
このページに掲載されている情報の発信元
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